10月22日
朝、ホテルの窓から外を見ると、天気予報通り台風接近中で雨。
街並みの向こうの海も灰色で空とほとんど区別がつかない。
ホテル2階の朝食食堂は朝早くからお客さんでいっぱい。
ホタルイカの沖漬けや鱒ずし、ニギスの丸干しなど地のものがいろいろあってうれしい。
8時にホテルを出て駅へ。旧JR魚津駅の端に地下へ降りる階段があり
長い地下道から階段を上がると富山地方鉄道の新魚津駅の小さな改札に出る。
8時20分の普通列車に乗って、終点の宇奈月温泉駅までは54分。
駅舎が工事中のようで、プレハブの仮設改札から外に出た。
ここから100mほどの所にあるのが黒部峡谷鉄道の宇奈月駅。
こちらは駅前に観光バスが何台も停まり、大きな土産物屋もある立派な駅。
到着したらすぐに2階へ直行。と言うのも今日は「黒部峡谷パノラマ展望ツアー」という、関西電力の坑道に入るツアーに申し込んでいるから。
受付では予約確認に身分証明書を提示、その後は荷物の危険物チェックまであってなかなか厳しい。
受付をする間もなく、係員から説明と注意。
天気が悪いので展望台まで行けないかと思ったが、「展望台までは行けます。でも何も見えません」だって。
ツアーの出発を待つ間に2階から外を見ると
赤い橋を渡るトロッコ電車が見える。
やがて時間になり、ホームに降りて指定された車両に。
トロッコ電車は雨の日でも吹きさらし、背もたれもないストイックさ。
10時3分の定時に出発するとすぐに宇奈月湖、宇奈月ダムが見え
ファンシーな発電所や曇り空でもきれいなブルーの黒部川を見ながら進むが、列車のすれ違いのために停まって待つことが多い。
トロッコ電車は13両もつながっているので先頭から振り向くとしっぽが長い。
天気のいい週末にはこれでも満席で乗れないこともあるらしいが、雨のこの日は後ろの方はほぼ空席だった様子。
期待した紅葉にも1,2週間早かったようだ。
さらに出平ダム、小屋平ダムを過ぎて、80分の乗車でようやく終点の欅平駅に到着。
思ったほど雨が吹き込まなかったのは助かったが、さすがに冷えた。
さて、欅平に到着したら出口には向かわず、ホームのツアー集合場所へ。
ここからは関西電力OBがガイド、ヘルメットが渡され、またここに戻るまでは脱がないようにと厳重注意。
やがて関西電力専用軌道を走る機関車がやって来るが、これは昭和10年ごろから使用されているものとか。
運転席が真ん中にあって、よく見ると運転手はホームに向かって座っている。運転中は進行方向に顔をねじらなければならないのだそうだ。
この小さな車両に乗るのはほんの580m。
すぐに竪坑エレベーターの前に到着。
この辺りの山の勾配が急すぎて鉄道を延ばすことができなかったために作られたと言うこのエレベーター、貨物車をそのまま載せられるように床には線路がある。
2分で200mを上がるこのエレベーターが作られたのが昭和14年とはびっくり。オーチス社製で、建設当時は世界一の高さだったとか。
エレベーターを降りてちょっと行くと竪坑展望台があるが、低い雲がかかっているのでここはさっさと通過。
上部トンネルの線路沿いに敷かれた歩行板の上を一列になって進み
急な階段を上ったら外に出る。
ここからはちょっとした登山道なので、ここから先に行くにはトレッキングシューズが必要。
幸いにして雨はレインコートのフードでしのげる程度、足元の濡れ落ち葉に気を付けながら丸太桟道や階段を上る。
そして15分ほどで本日の目的地、パノラマ展望台に到着。
確かに360℃が見渡せるが、周りの山の方が高いので解放感はなし。
なによりも天気が悪いので
送電線の向こうの山々はほとんど見えず、しかしこれはどうしようもない。
来た道を戻ってまたトンネルの中へ。
ここに停まっているのは黒部第四発電所まで行く工事用鉄道。
ガイド氏が昭和初期の難工事のことを説明してくれたが、地盤温度が160℃にもなる高熱地帯を水を掛けながら掘り進めたとか、工事用宿舎が雪崩で吹っ飛んで一山越えた先に突き刺さったとか、すさまじい話。
そうまでして発電所を作ったのは国策のためだが、これを黒歴史と見るか、工事人たちのプライドと見るか。
吉村昭がこれを「高熱隧道」という小説にしているというので、いまさらながらアマゾンでポチリ。
ちなみにこの上部専用鉄道に乗って黒部第四発電所経由、黒部ダムまで行く関西電力の「黒部ルート見学会」というツアーがあるが、毎年応募者が多くて抽選にはなかなか当たらないのだそうだ。
またエレベーターに乗り、専用車に乗って欅平駅に到着したのは13時25分。
これでツアーは無事終了。
ツアー代金は5000円だけれど、これはトロッコ電車の往復運賃3420円込み、関西電力のガイドさんに登山のガイドまで付くのだからお得。
あいにくの天気で紅葉にも早すぎたけれど、このツアーは参加する価値があった。
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朝、ホテルの窓から外を見ると、天気予報通り台風接近中で雨。
街並みの向こうの海も灰色で空とほとんど区別がつかない。
ホテル2階の朝食食堂は朝早くからお客さんでいっぱい。
ホタルイカの沖漬けや鱒ずし、ニギスの丸干しなど地のものがいろいろあってうれしい。
8時にホテルを出て駅へ。旧JR魚津駅の端に地下へ降りる階段があり
長い地下道から階段を上がると富山地方鉄道の新魚津駅の小さな改札に出る。
8時20分の普通列車に乗って、終点の宇奈月温泉駅までは54分。
駅舎が工事中のようで、プレハブの仮設改札から外に出た。
ここから100mほどの所にあるのが黒部峡谷鉄道の宇奈月駅。
こちらは駅前に観光バスが何台も停まり、大きな土産物屋もある立派な駅。
到着したらすぐに2階へ直行。と言うのも今日は「黒部峡谷パノラマ展望ツアー」という、関西電力の坑道に入るツアーに申し込んでいるから。
受付では予約確認に身分証明書を提示、その後は荷物の危険物チェックまであってなかなか厳しい。
受付をする間もなく、係員から説明と注意。
天気が悪いので展望台まで行けないかと思ったが、「展望台までは行けます。でも何も見えません」だって。
ツアーの出発を待つ間に2階から外を見ると
赤い橋を渡るトロッコ電車が見える。
やがて時間になり、ホームに降りて指定された車両に。
トロッコ電車は雨の日でも吹きさらし、背もたれもないストイックさ。
10時3分の定時に出発するとすぐに宇奈月湖、宇奈月ダムが見え
ファンシーな発電所や曇り空でもきれいなブルーの黒部川を見ながら進むが、列車のすれ違いのために停まって待つことが多い。
トロッコ電車は13両もつながっているので先頭から振り向くとしっぽが長い。
天気のいい週末にはこれでも満席で乗れないこともあるらしいが、雨のこの日は後ろの方はほぼ空席だった様子。
期待した紅葉にも1,2週間早かったようだ。
さらに出平ダム、小屋平ダムを過ぎて、80分の乗車でようやく終点の欅平駅に到着。
思ったほど雨が吹き込まなかったのは助かったが、さすがに冷えた。
さて、欅平に到着したら出口には向かわず、ホームのツアー集合場所へ。
ここからは関西電力OBがガイド、ヘルメットが渡され、またここに戻るまでは脱がないようにと厳重注意。
やがて関西電力専用軌道を走る機関車がやって来るが、これは昭和10年ごろから使用されているものとか。
運転席が真ん中にあって、よく見ると運転手はホームに向かって座っている。運転中は進行方向に顔をねじらなければならないのだそうだ。
この小さな車両に乗るのはほんの580m。
すぐに竪坑エレベーターの前に到着。
この辺りの山の勾配が急すぎて鉄道を延ばすことができなかったために作られたと言うこのエレベーター、貨物車をそのまま載せられるように床には線路がある。
2分で200mを上がるこのエレベーターが作られたのが昭和14年とはびっくり。オーチス社製で、建設当時は世界一の高さだったとか。
エレベーターを降りてちょっと行くと竪坑展望台があるが、低い雲がかかっているのでここはさっさと通過。
上部トンネルの線路沿いに敷かれた歩行板の上を一列になって進み
急な階段を上ったら外に出る。
ここからはちょっとした登山道なので、ここから先に行くにはトレッキングシューズが必要。
幸いにして雨はレインコートのフードでしのげる程度、足元の濡れ落ち葉に気を付けながら丸太桟道や階段を上る。
そして15分ほどで本日の目的地、パノラマ展望台に到着。
確かに360℃が見渡せるが、周りの山の方が高いので解放感はなし。
なによりも天気が悪いので
送電線の向こうの山々はほとんど見えず、しかしこれはどうしようもない。
来た道を戻ってまたトンネルの中へ。
ここに停まっているのは黒部第四発電所まで行く工事用鉄道。
ガイド氏が昭和初期の難工事のことを説明してくれたが、地盤温度が160℃にもなる高熱地帯を水を掛けながら掘り進めたとか、工事用宿舎が雪崩で吹っ飛んで一山越えた先に突き刺さったとか、すさまじい話。
そうまでして発電所を作ったのは国策のためだが、これを黒歴史と見るか、工事人たちのプライドと見るか。
吉村昭がこれを「高熱隧道」という小説にしているというので、いまさらながらアマゾンでポチリ。
ちなみにこの上部専用鉄道に乗って黒部第四発電所経由、黒部ダムまで行く関西電力の「黒部ルート見学会」というツアーがあるが、毎年応募者が多くて抽選にはなかなか当たらないのだそうだ。
またエレベーターに乗り、専用車に乗って欅平駅に到着したのは13時25分。
これでツアーは無事終了。
ツアー代金は5000円だけれど、これはトロッコ電車の往復運賃3420円込み、関西電力のガイドさんに登山のガイドまで付くのだからお得。
あいにくの天気で紅葉にも早すぎたけれど、このツアーは参加する価値があった。
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