本書を一言で言えば、永井豪の世界満載ということだろうか、なにしろマジンガーZ、UFOロボグレンダイザー、あばしり一家の登場人物が出てくるのだ。実はこのZは、「マジンガーエンジェル」の続編にあたり、そちらの方には、グレートマジンガーの登場人物も出ているらしい。
主人公はあばしり一家の長女・悪馬尻菊ノ助。普段は男装をしているが、実はボンキューのスタイル。男装をしているからといって、自分を男とみているわけではない。自分が女性であることはしっかり意識している。
この本の特徴は、ヒーローではなくヒロインたちが悪と戦うというもの。弓さやかはマジンガーZの登場人物だが、そちらと同じく、アフロダイAに乗って敵と闘う。マリアはグレンダイザーの登場人物である。最初はヴューナスAに乗っていたが、最後の方ではミネロバXに乗っていた。闘うのは、グレンダイザーに出てきたベガ星人。マジンガーエンジェルというのは特定の機種を表すのではなく、さやかやマリアたちのチーム名のようだ。
そして主人公の悪馬尻菊ノ助はアイアンZというロボットに乗っている。形はマジンガーZなので調べてみるとアイアンZというのは、マジンガーZの初期のころに使われていた呼び方らしい。しかしパイルダーオンするのが、あのエアカーではなく、なんとバイクなのである。要するにバイクの周りがオープンなのである。あれだと、必死でバイクに捕まっていなくてはならないと思う。最初、敵と思ったマリアのヴューナスAと闘うことになったが、いや菊ノ助が乗っているのは、外から丸見えだろうと突っ込む。
とにかく懐かしさでいっぱいだった。永井豪の世界が好きな人にはお勧め。
☆☆☆☆
※初出は、「風竜胆の書評」です。