久しぶりのツチヤ本である。なにしろ土屋さんの本は、面白いんだけど、続けて読むと頭がマヒしてしまって、十分に面白さを味わえないという欠点がある。自虐ネタが多いのだが、結構似たものが多いので、またかと思ってしまうのだ。ただ、前に読んだ内容を忘れるくらいの間をおいて読むと、とても面白い(勘違いかもしれないが。いやきっと私の勘違いに違いない(笑)。)のだ。
本書は、「週刊文春」の2000年9月28日号~2001年11月15日号に掲載されたエッセイを収録したもののようだ。雑誌の方は、興味がある記事が掲載された時しか読んでいないので、このように1冊に纏めるというのはいいと思う。
著者は、なにしろ天下のお茶の水女子大の教授(今は退職して名誉教授だが)。しかし、主に女性たち(妻、助手、学生など)からの虐げられようは涙を誘う。こんな人もいるんだなと。同じような覚えがある、多くの男性読者の共感を呼び、勇気と生きる力を与えているに違いない(もっとも多くの話では、自業自得という言葉が浮かんでくるのだが)。そういった意味では、不幸な男性諸君必読の書だと言えるだろう。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。