魚紳さんは、矢口高雄の「釣りキチ三平」に出てくるキャラだ。三平の師匠格で、かなりの影響を与えている。この作品は、釣り雑誌の企画で、色々な釣り名人と魚紳さんが釣り対決をするというものだ。この巻では、前巻から続くバス釣り対決に決着がつく。
もちろん勝負の方は、魚紳さんが勝つのだが、それまでの過程がなんともハラハラさせる。このままでは負けが確定すると思いきや、最後に奇跡が起こるのだ。このあたりは予定調和のような気がするが、河口湖のヌシに「シンゲン」とつけているところなんかは、「釣りキチ三平」のスピンオフらしい。もっと直接的には、魚紳さんが、「三平くんならどうする」と言っているところだろう。次は磯釣りらしいが、どうなるのか興味が湧く。
この魚紳さんの正体については、前巻で明らかになる(誰ですか、唯の遊び人と思っていた人は。実は魚紳さんはすごい人だった)のだが、最後に魚紳さんの兄が出てくる。この人がこれからの展開にどうかかわってくるのだろう。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。