中学生が発表した主張の数々はお爺の胸の胸を激しくノックした。世情の垢にまみれたお爺には中学生が発する瑞々しい感性が眩しすぎた。彼らが今の思いを忘れずに成長してほしいと願うばかりだった。
本日午前、道民活動センター「かでるホール」において「少年の主張 全道大会」が開催され、少年たちの主張に耳を傾けた。(この大会はこの日開催された「北海道青少年育成大会の一環として開催された)
出場者は16名。それぞれが管内大会(札幌市だけ代表が2名)で最優秀に選ばれた生徒たちばかりだった。
※ 出場者全16名が初めに壇上に立ちました。(この写真で個人は特定されませんよね)
出場者の氏名・学校名・主張テーマは次のとおりである。
① 細川 優菜 札幌市立日章中学校 「ジェンダーの平等の実現に向けて」
② 光枝 美優 礼文町立香深中学校 「『かわいそう』は無責任
③ 貝島 優羽 倶知安町立倶知安中学校 「一歩踏み出して」
④ 尾坂 空音 岩見沢市立明成中学校 「しあわせの形」
⑤ 山本結千花 浦幌市立浦幌中学校 「私らしい生き方」
⑥ 篠田 涼帆 長万部津町立長万部中学校 「多様性の時代」
⑦ 河本さくら 別海町立上春別中学校 「雑草」
⑧ 白井遥ノ椛 洞爺湖町立虻田中学校 「言葉の力とは」
⑨ 糸畑 雫 江差町立江差北中学校 「男女差別」
⑩ 藤原 拓也 鶴居村立鶴居中学校 「未来の舵取りを担う」
⑪ 鎌田 千弦 札幌市立平岡緑中学校 「とくべつなくふう」
⑫ 高林 恵 遠軽町立遠軽南中学校 「挑戦」
⑬ 平田 琴音 様似町立様似中学校 「青春のありか」
⑭ 田村里々香 遠別町立遠別中学校 「油断から広がる危険性」
⑮ 大串 雪花 北海道教育大旭川中学校 「性別をこえた平等へ」
⑯ 数馬 灯里 恵庭市立恵み野中学校 「未来に咲く今」
テーマを見ると多種多様だったが、それぞれが自分の身の回りに起こったことへの疑問や改善案、あるいは自らの将来に対する思い、等々…。その中で特徴的だったのは「ジェンダー」に関する思いや提案を訴える主張が多かったことだ。(私のカウントでは5名)
そのことと出場者の多くが女子生徒で、男子生徒は1人のみだったのはこの年代のある意味での特徴なのだろうか?
各人の主張を聴いていると、どの生徒も論旨が明快で、堂々と主張する様子はさすがに選ばれた生徒たちといった印象だった。
※ 少年の主張の発表の様子です。
私は各生徒の主張を聴いていて、どの主張にも頷けるところがあり、彼らの思いに共鳴しながら聴いていた。そしてこうした主張に優劣を付けることの難しさを感じていた。しかし、結果は発表された。
その結果、最優秀賞は恵庭市立恵み野中学校の「未来に咲く今」をテーマに発表した数馬灯里さんが選ばれた。数馬さんの主張は、数馬さんのお兄さんがけっして模範的な学生生活を送った人ではなかったために希望どおり職種に就職はできなかった。しかし、就職したお兄さんがその職場で不満も漏らさず、一生懸命勤めることによって職場でも認められ、今生き生きと生きている姿から、自分もお兄さんのように今の境遇に不満を漏らすことなく、「今を懸命に生きたい」と主張した。印象的だったのは主張の中にノートルダム清心学園理事長の渡辺和子さんの名言「おかれた場所で咲きなさい」という言葉を効果的に挿入したところだ。
数馬さんの力強い主張は、この後全国でも主張の機会を得た。数馬さんの健闘を祈りたい。同時に、他の生徒たちも自らの主張に自信をもって生きていってほしいと願うばかりである。