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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

宮の森アルテ・ムジクス定期演奏会

2024-02-05 16:08:34 | ステージ & エンターテイメント
 札幌にこのような意識高い系(これはけっして他の演奏集団を揶揄していることではないことを強調しておきます)演奏集団が存在していることに札幌の懐の深さを知った思いである。アルテ・ムジクスはバロック・古典派にこだわった演奏を続けている集団である。

     

 昨日(2月4日)午後、札幌コンサートホールKitaraの小ホールを会場に開催された「宮の森アルテ・ジムクス 第29回定期演奏会」を鑑賞した。
  私がアルテ・ジムクスを知ったのは、昨年3月だった。その時の印象を私は拙ブログで次のように記している。
 「思わぬ形で水準の高い管弦楽団に出会った気分である。バロック、古典派の作品を演奏することを目的としたアマチュアの演奏集団ということだが、かなり高いレベルでハイドンやベートーヴェンの曲を古楽器も交えた構成で披露してくれた。」
 今回改めてアルテ・ムジクスの演奏を聴いて、私の最初の印象が間違っていなかったことを確認した。
 楽団名の「アルテ・ムジクス」とは、イタリア語で「アルテ」とは元々は団体とか、仲間という意味だったものが中世以降それに「芸術」という意味も含まれるようになったようである。そして「ムジクス」は研究家といった意味があるという。したがって「アルテ・ムジクス」とは(バロック、古典)音楽を研鑽する仲間的な意味を持たせたものと思われる。う~ん。やっぱり「意識高い系」かなぁ?
 「宮の森アルテ・ムジクス」は弦楽合奏団だけではなく、合唱団も有している音楽団体である。
 この日は定期演奏会という場だったからだろうか?第1部で合唱団が、第2部で合奏団がそれぞれ演奏を披露した。

  
※ 写真撮影はもちろんNGだった。掲載の写真は前回の定期演奏会の様子で、今回もほぼ同じような光景でした。

 それでは例によって演奏された曲目を羅列すると…、
【第1部】(合唱)
 ◇C.モンテヴェルディ/マドリガーレ集 第6巻より《アリアンナの嘆き》
 ◇C.モンテヴェルディ/4声のためのミサ曲 SV190
 〈アンコール〉◇T. ビクトリア/アヴェ・マリス・ステラ(めでたし海の星)
【第2部】(管弦楽)
 ◇O.レスピーギ/組曲《鳥》
 ◇L.ケルビーニ/ホルン協奏曲 ヘ長調 ※ ホルン独奏 濱中大輔
 ◇L.ケルビーニ/交響曲 ニ長調
 〈アンコール〉◇P.マスカーニ/歌劇《カヴァレリア・ルステイカーナ》間奏曲
というラインナップだったが、指揮者(白石一弘氏)によると今回の選曲は全てイタリアの曲だったという。もちろん私にはどこの国の曲か?などということは全く未知のことだから関心外であったが、演奏の感想をメモしながら鑑賞した。
 それを参考にしながら感想を記すと、合唱については女性12名、男性7名の計19名の合唱団だったが、かなりレベルの高いところでまとまっていた合唱のように聴いた。私には男声の低く、太い音色が魅力的に聴こえた。
 指揮者は合唱団では若手の一人のソプラノを讃えていたが、私からは確かに彼女のソプラノが一段と際立っていたように思えたが、それが合唱全体のバランスをやや欠く場面もあったのではないかと思えたのだが…。
 管弦楽の方は、こちらも高いレベルでまとまっていたように感じた。前回の演奏会でも明かされたが、アルテ・ムジクスの管楽器陣が使用している楽器はいわゆる〈古楽器〉と言われるものだそうだ。バロックオーボエ、バロックファゴット、ナチュラルホルン、バロックトランペット、等々を用いているという。

         
      ※ ナチュラルホルンを演奏する濱中大祐氏です。

 管弦楽2曲目の「ホルン協奏曲 ヘ長調」は、そのナチュラルホルンを用いたソロの演奏が披露された。(ソロ演奏者:濱中大祐氏)ナチュラルホルンには、現代のホルンのように音程を変えるバブルが付いていない。素人的に云うと、ただ一本の管がぐるぐるっと丸まっているだけなのだ。私はどうして音階を弾き分けるのか不思議に思いながら聴いていた。         
 帰宅して調べてみると、なんとベル(音が出てくるラッパの部分)の中に右手をいれ、その入れ加減によって音程を変えるゲシュトップ奏法という奏法だと分かった。なるほどと思ったが、その奏法に習熟するには相当な鍛錬が必要なのではと思えた。

         
            ※ 指揮者の白石一弘氏です。

 「アルテ・ムジクス」を指導し、指揮する白石一弘氏は調べてみると札幌市役所の職員で、市役所でも幹部を務めている方のようである。おそらく相当の音楽的な実力もカリスマ性もある方なのだろう。そうでなければ合唱団、管弦楽団のメンバー合せてステージに登場しただけでも60数名をまとめていくことはできないはずである。これからも白石氏を中心にして素晴らしい音楽を私たちに提供してほしいと願うばかりである。


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