私たちの周りには実に多くのフェイク食品や加工食品が出回っていることを改めて教えられた思いだった。その中の多くは食品添加物を使用しているという。その食品添加物の中には健康に害するリスクを含んだものもあるという…。
11月14日(火)午後、北区民センターにおいて、生活クラブ生活協同組合が主催する講演会「フェイク食品・加工食品と外食産業」と題する講演会に参加してみた。ふだん食について、どちらかというと無頓着な私だが、時には現実を知ることも大切ではと考え参加してみることにしたのだ。講師は「食の安全を考える会」に所属し、全国的に啓蒙活動を行っている野本健司という方だった。
※ 講演をされる野本健司氏です。
野本氏はまず「食品添加物」の話題から入った。それによると、現在日本で使用されている食品添加物は実に1,546種類もあるとのことだった。そのうち、天然香料と一般飲食添加物といういわゆる天然由来の添加物を除く、「認可添加物」という832種類がなんらかのリスクの可能性がある考えられる添加物だと野本氏は指摘した。(「認可添加物」とは、厚生労働大臣が認可した添加物である)
そのリスクとは?遺伝毒性、変異原生、発がん性、発がん促進性、アレルギー性、染色体異常、成長抑制、急性毒性などのリスクが考えられるという。それらの名前を聞くだけで恐ろしく感じてしまう。ただ留意しなければならないのは “可能性” という言葉である。労働大臣が認可しているということは、科学的にはそのリスクが定説とはなっていないということなのではないか、と私は思うのだが…。
※ 野本氏が持ち込んだ「肉用ミオラ」という肉を柔らかくし、旨味を増すという添加物だそうです。
いずれにしても、リスクが考えられる添加物を含んだ食品を体内に取り込まない方が良いとは思うのだが、832種もの添加物をチェックするということは事実上不可能にも思える。さてどうすれば良いものか??
お話は「加工食品」の話に移った。私たちの周りには加工食品が溢れているといっても過言ではない。加工食品とは、水産練り製品(かまぼこ、ちくわなど)、肉加工品(ウィンナー、ハムなど)、乳加工品(ヨーグルト、チーズなど)、果実加工品(ジャム、ジュースなど)というとイメージできると思うが、生鮮食品に何らかの加工したものをいう。
「加工食品」の主たる目的は、食品を長持ちさせるためにさまざまに加工することなのだが、最近は食品の増量を図るために添加物を入れたり、製品の整形をしたり、中には別原料を混合させたりする例も見られるという。加工食品のメリットは「調理が簡単で、安価、すぐに食べられる」などの利点があるが、反面「添加物が多くなりがち、塩分・糖分が多い、栄養分のロスがある」などのデメリットも指摘されている。
私たちは表示が義務付けられている食品の裏側に添付されているラベルの表示を確認し①原材料が少ないもの、②加工度合いの少ないもの、③添加物の少ないもの、を選ぶべきであると野本氏は強調された。
「加工食品」をさらに発展させたのが「フェイク食品」あるいは「コピー食品」といわれる食品である。野本氏はフェイク食品の代表格ともいえる「マーガリン」ゃ「カニかまぼこ」などはすでに独立した食品として世の中に認知された食品もあるが、高級食品を別素材を加工することによって販売されている例が増えているという。例えば漁獲量が減少したイクラ、シシャモ、数の子、キャビア、あわびといったフェイク食品が出回っているという。問題は本物に近いものとして見せるために、添加物などによって加工をほどこしたイクラ、シシャモ、数の子、キャビア、あわびといったフェイク食品が出回っていることだ。問題は本物に近いものとして見せるために、添加物などによる加工が行われることである。
以上、簡単に現状について野本氏のお話をレポしたが、こうした状況の中で我々消費者はどう対処するれば良いのかというと、野本氏は①添加物使用の食品をできるだけ買わないこと、②添加物を使用していない食品を買うこと、③安さにだまされない、④できるだけ国内産のものを買う、ことだと強調された。
私はそのことと共に、監督官庁である厚生労働省が国民の健康を第一に考え、より厳格な調査・研究によって適正な規制をしてほしいと願っている。