マル鉄回顧録

鉄道写真・鉄道模型を始め、バスやトラックなど、乗り物中心のブログです。昔の写真はマル鉄鉄道写真館で再編集しています。

常磐線荷物気動車(キニ55・56・58)

2007-07-19 00:40:22 | 気動車(急行・その他)
こんばんわ。

今日は、私のコレクションの中でも希少な存在となっている、荷物列車の気動車篇をお届けしたいと思います。

常磐線の交流区間へは過去に数回撮影に行っておりますが、つくば万博の前後くらいまでは気動車による荷物列車が走っていました。しかも、日中の比較的条件の良い時間帯に走っていたので、スジは知りませんでしたが捉えることができました。

まずは、取り敢えず写真をご覧ください。




昭和57年10月12日 常磐線 土浦~荒川沖間にて キニ563+キニ553

上の写真が進行方向先頭で、下の写真が後追いです。

1両目の車輌は「キニ563」で、元「キハ5514」からの改造車です。昭和49年12月17日に大宮工場で改造・竣工し、水戸機関区に配置されました。
種車の「キハ5514」はキハ55型の初期車で、妻面にRが付いた独特の形状をしており、改造後もRが付いたままの車体で特徴がありました。昭和61年12月18日付けで廃車となっています。

2両目の車輌は「キニ553」で、元はキハ10系の2エンジン車「キハ5110」からの改造車です。3は昭和40年9月2日に多度津工場で改造・竣工し、他の1・2・4とすべての車輌が竣工とともに水戸機関区に配置されました。キニ55の2と3が昭和58年6月17日に、1と4が昭和59年5月8日に廃車され、10系気動車として最後まで残った形式でもあります。



昭和60年8月25日 常磐線 神立~高浜間にて キニ56+キニ58

この写真は後追いです。
番号は未確認ですが、後尾車(右側)の「キニ56」は水戸機関区に1台のみの配置ですので、「キニ563」で間違いないでしょう。
先頭車(左側)は「キニ58」で、老朽化した前述「キニ55」の代替車として、2エンジングリーン車である「キロ58」からの改造で誕生しています。昭和53年7月から9月にかけて名古屋工場・幡生工場で3両が改造・竣工し、全車水戸機関区に配置になっています。荷物輸送の廃止により、昭和61~62年にかけて全車が廃車になっています。(「キニ581」は「碓氷峠鉄道文化むら」にて保存・展示。)

水戸機関区配置の荷物気動車は、全国に配置された改造荷物気動車に比べてバラエティーさには欠けますが、常磐線用に2エンジン車を配置していたのが特徴といえます。これは、平坦路線の常磐線ですが、電車のダイヤに影響させないための措置と聞いております。
交流又は交直両用の荷物電車が今もって製造・改造されたことが無かったのは、交流区間における普通列車が客車列車主体であり、特別に専用の荷物電車を用意する必要がなかったという時代背景でしょう。もし、現在も荷物輸送が活発に行われていれば、もしかしたら誕生していたかもしれません。

これら荷物気動車にも関心があったのですが、四国や中国地方に多く存在しており、なかなか逢いに行く機会がありませんでした。そして、荷物輸送そのものが廃止になってしまい、昭和62年の初め頃にはすべての荷物気動車は廃車となってしまいました。
コメント (2)
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