雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

煙立つ見ゆ ・ 万葉集の風景

2025-02-13 08:00:43 | 万葉集の風景

     『 煙立つ見ゆ ・ 万葉集の風景 』


春日野に 煙立つ見ゆ 娘子らし
       春野のうはぎ 採みて煮らしも

                   作者不詳

( 巻10-1879 )
     かすがのに けぶりたつみゆ おとめらし
              はるののうはぎ つみてにらしも

意訳 「 春日野に 煙が立っているのが見える 乙女たちが 春の野のうはぎ(ヨメナ)を 摘んで煮ているのだろう 」


* 「巻10」に収められている歌のほとんどは、作者名が記されていません。この歌もその一つです。

* 歌の内容は極めて平易で、春の日の、のどかで平和な様子が描かれています。
春日野が舞台ですから、詠み人は、奈良の都で生活する比較的豊かな人、あるいは、かなり高貴な人なのかもしれません。
描かれている情景に何の意外性もありませんが、のびのびとした乙女たちの生活ぶりが映し出されているように思われます。

       ☆   ☆   ☆ 
   


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