翌日、胃カメラを施行して驚いた。どうもあやしい病変があるのだ・・・。とりあえず生検して結果を待った。その後、切除が必要な病変なので大学病院に紹介状を書いてご本人に渡した。それにしても胃カメラなどはまだまだ「億劫」で受けたがらない患者さんも多いのである。その人をうまく説得して検査を受けてもらうには、その勧めるタイミングはきわめて難しい。嫌がるのを無理に勧めてもいけないし、かといって検査をしないで重大な病気を見逃しても困る。胃カメラも苦しい検査ではなくなりつつあるが、それでも苦手な人には苦手なのである。大昔、開業医の先輩に言われたことがある。「開業医が胃カメラ検査を勧めるのは難しい。早めに胃カメラを勧めると『あの医者は行くとすぐに胃カメラやろうと言う。すぐに検査を勧める』といわれる」とのこと。 開業したならどうも精密検査をすすめるタイミングが難しいのである。