吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

祇園の暴走車 続き その3

2012年04月27日 07時16分01秒 | インポート

 正常な状態のものが運転していて、いきなり猛スピードで人をなぎ倒していくことは尋常なことではない。そのようなことが「発作的」かつ「突然」おこることは通常では考えられないことである。しかしながら状況証拠として、運転手は「てんかん保有者」であったこと、「医者から何度も車の運転を禁止されていたこと」、「最近、発作が頻発していたこと」などを併せると、限りなくそのとき運転手は発作を起こしていたという可能性が高くなる。おそらく医学的な検証が鑑定医によって行なわれるのであろうが自分が担当していなくてよかった。こればかりは状況証拠のみで確実な立証方法がない。運転手の血液から抗痙攣薬が検出されたと報道されたが、とりたててあたりまえのデータでありなんら役に立つものでもない。抗痙攣薬を服用していてもけいれん発作を抑制できないものなんていくらでもある。