吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

祇園の暴走車 続き その4

2012年04月28日 06時39分38秒 | インポート

 今回の事故は千葉のクレーン車による幼児衝突事故に引き続いて、おそらく被害者遺族も納得しないものと思われる。もし裁判になれば被害者遺族はてんかん保有者の権利、特に車の運転などを厳密に制限すべきだと主張するであろう。かたや運転手側の弁護士は今回の祇園の交通事故はてんかんとは無関係であると主張するかもしれない。そこで「さあ、鑑定医の先生、発作中のできことですか、どうですか?」と突きつけられることになる。医学的判断なんて今回は無理であろう。あとは司法判断でどこを「落としどころ」にするかである。被害者家族の感情とてんかん保有者の権利擁護の狭間で、今回は裁判員もかなり重い判断が課せられることになる。以前タレントO氏による薬物死亡女性放置裁判では検察側、弁護側のどちらの鑑定医も自分がよく知っている医師である。どちらも昔は一緒にお酒を飲んだ関係である。その二人が司法の現場で戦ったのは複雑である。鑑定医といったって絶対ではない。さてこの事件の顛末はどうなるのか自分は注目している。でもマスコミは最後までは報道しないんだろうなぁ~。