吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

自転車事故の顛末(創処置) その1

2012年09月25日 06時33分25秒 | インポート

 汚い傷はとにかく流水による物理的な洗浄が重要である。自分の傷を洗浄しながらふっと思い出した。数年前より創部の閉鎖療法が実は医学界では主流になっている。つまり創部をそのままコロイド被覆材でフタをして数日以上そのまま放置することである。創からの浸出液には組織を修復する大事な因子が含まれているのでそれをガーゼで吸い取ったり乾かしたりしないほうがいいというのだ。確かの理論的にはその通りである。納得する。しかし大前提がある。感染を起こしそうな汚い傷や、時間の経過した創は、ばい菌が付着しているのでそのままフタをして閉鎖すると菌が繁殖して大変なことになるのだ。最近ではこの閉鎖療法の被覆材が薬局に売られているので、時々これを貼った患者さんが受傷後数日ごろ感染を起こしてからお見えになることがあるのだ。