創部をみると、コロイド被覆材の残りカスか、あるいはべラーク(フィブリン(線維素)の白苔)が創の表面に付着している。外科専門医の自分がみてもどちらなのか判断に迷う。一般の人がみたら「すわっ、化膿している。大変だ」と思うだろう。一般の人にここまで「感染の有無を観察し感染徴候があれば医療機関受診・・・」という判断を課すのは難しいであろう。一般の人が見たなら見た目の創の派手さで化膿しているようにみえるだろうが、自分であれば局所の炎症所見がないので「感染してない」と言い切れる。やはりこの閉鎖療法が一般に広まるまでにはまだまだ難しいと思われる。医療機関でも、創に蓋をして見えないようにしているので感染徴候の判断は難しい。しかも被覆材のコストは高くこのコストは処置点数に算入されているため請求できない。ガーゼのほうがはるかに安いので、うちのような貧乏開業医には大きな負担なのである。で、肝心の創傷治癒の早さはどうかというと、ガーゼを用いた開放療法とほとんど変わりがない・・・。なんだかね・・。