吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

AED使わず学校で小5死亡、両親が市を提訴 その5

2013年11月01日 08時13分16秒 | インポート

  

 ただしこのような歴史的経過を知らない人にとっては経過などどうでもいいことである。結局は結果がすべてなのである。この児童は救命できなかった。しかもAEDを傍らに持参しておきながら使わなかったというのは問題がある。これは誰にでもつかえるものなのである。使い方は難しくない。自分が心肺蘇生の指導員をしていた時は「どうせ今日のことはみんな忘れるかもしれませんが、これだけは覚えておいてください。AEDの使い方が思い出せなくとも、現場で蓋をあけてください。するとスイッチがはいってあとはすべて音声指示がありますのですべてそれに従えばいいのです」と教えた。そうなのである。すべて使い方をステップごとに音声指示してくれるのである。だから今回、傍らにAEDはあったが使わなかったというのは少し寂しい。蓋さえ開けていれば何とかなった可能性はあったかもしれない。ただし今回の裁判の行方はとても気になるところである。司法判断はきわめて微妙なところあり、結果次第では自分たちがいままで20年以上かけて心肺蘇生の普及啓発をしてきたこの盛り上がりに水をさすような結果につながりかねないのである。<o:p></o:p>