吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

AED使わず学校で小5死亡、両親が市を提訴 その7

2013年11月05日 06時53分42秒 | インポート

   もしも判決が原告側に有利なものが出たとしたら、その後、教育現場で混乱するだろう。心肺蘇生に対する教諭の研修時間が大幅に増えるかもしれない。あるいは(そんなことはないと思うが)逆に「そんな100%きちんと施行しなければ訴えられて負けてしまうような心肺蘇生ならばリスクが高すぎてとても医療従事者ではない教諭に徹底することはできない」「常時、学校に健康管理者や蘇生専門の要員の配置が望ましい」などと臍を曲げられてしまう恐れもあるのである。そうなるといままで教育現場に普及してきた教諭が自ら心肺蘇生を行うという気運が衰退するのではと危惧しているのである。だから今回の司法判断は、AEDの蓋をあけさえすれば・・という残念な行為を司法がどう裁くのか、またあるいは教諭の立場が「一般通行人」としてみなされ蘇生の結果は不問ということになるのかということも歴史を揺るがす大きな判断になるのである。どちらに判決が傾いたとしても「司法判断」は残るのである。これがのこれば今後の「基準」として残ってしまうので、できればどちらも安易なところで手を打たないでほしいと思うのである。なんとなく頃合いをみて市側が賠償金をだして終息するような気がする。そしてどうなるかわからないがこの「司法判断」だけが基準として未来永劫残って一人歩きしてしまうことに危惧しているのである。