そんなに感動することに日本国民が飢えているほど、いまの日本が無機的で画一的でつまらない毎日であるとは思わない。過去に遡れば戦後の高度成長期の日本は復興をめざし国民が一丸となって働いてきた時代だった。それこそ余暇も息抜きもなく働いてきた時代である。その感動を忘れてしゃにむに働いてきた時代の人たちが、感動することに飢えていたというなら話は分かる。現代では多様化の時代である。毎日悲惨な事件も報道されるし感動的な震災ボランティアの活動もあった。最近では大雪で車が立ち往生した高速道路で某パンメーカーの運送トラックが現場で積み荷のパンを周囲の人たちに振舞っているという話もあった。少し前の話であるが、駅のホームと電車の間に挟まれた人を救出しようとして乗客数十人が客車を持ち上げた話もある。そして救出後はまるで何事もなかったごとく全員が通勤通学の途に就いたという話は誠にもって感動的である。<o:p></o:p>