学生時代、小児科の講義で教わったことである。単なる感冒、発熱で抗菌薬を出すのは間違っていることだからやらないようにと言われた。そしてそんなことを将来するようではダメな医者であるときつく言われた。抗菌薬は確かにウイルスには効かず細菌のみにしか効かない。また細菌の種類によっては効くものと効かないものがあるのは常識である。しかしながら小児の発熱時にまるで解熱薬のように使われていた時代もあったのも事実であるが、抗菌薬の漫然投与や不適当使用によっては耐性菌が作られることも医学の常識なのである。今では耐性菌によって患者さんが死亡し、もし訴訟になった場合では医療側が敗訴する事案が多くなったことを経験する。投薬するかしないかは当然医師がきちんと判断して薬剤の種類の選択、投与のタイミング、投薬期間をきめるべきなのである。<o:p></o:p>