ということはこれら「感動ありがとう」等の言葉は、自分のような感動場面を共有できない鈍感人に対し「さあ今が感動しどころだ」と注意喚起してくれるような一種の「掛け声」であるのかもしれない。最近の(といっても古館一郎あたりからだろうか)、スポーツ実況アナウンサーは感動絶叫型がほとんどである。試合場の興奮をそのまま届ける、というより何やら興奮度を倍加させて実況する義務でも課せられているようにも見える。より面白く盛り上げることはもちろん悪いことではない。そして本来は冷静に実況中継すべきなのであろうが、その中継している本人が盛り上がって興奮することも悪いことではない。しかしながら、結婚式の司会者のように「出席者を泣かせてナンボ」のような感覚で、視聴者を感動させるためにいろいろパフォーマンスしているのだとしたら、みごとにその話術に乗ってしまっているということになる。<o:p></o:p>