捕獲されたその野生化した猫は、檻の中から人間にとびかかろうとして大暴れをしている映像があった。体も 大きく凶暴なのである。猫の形はしているがまるで虎のようである。ジャングルの厳しい自然の中では強い遺伝子しか残れない。敵から身を守れるほどの大きな体格になれる遺伝子や、狩りをするに機敏な遺伝子や、そして敵とたたかっても負けないような凶暴な遺伝子などを保有した個体だけしか生き残れないのであろう。したがって小笠原に現存していた猫は、代々そのような遺伝子を持ったものだけが生き残っており、外観は猫の格好をしているが実は愛玩用のそれではなく猛獣であったのである。自然界の中では人間社会のような福祉や互助精神などまったく存在しない。当然のごとく他者を踏み台にしなければ生き残っていかれない。猫でさえこうなのであるから震災で廃墟の街に残された家畜や、はたまた繋がれていない愛玩用の犬の行く末はどうなるのか心配なのである。犬の中には中型犬や大型犬もいるのである。巣鴨駅前の街頭募金呼びかけをみて、動物が「野生に帰る」ことの恐ろしさを思い出したのである。