吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

ゴーストライター疑惑 その3

2014年04月07日 06時16分17秒 | インポート

  ヒロシマ被爆2世、全聾、作曲家など、これらキーワードは芸能人の「肩書」と解釈すればインパクトのあるものである。「人の善意に付け込んで」という流れがなければ、これはこれで芸能界において通常あたりまえのように行われているものでもある。またあのミステリアスな風貌と言動はいかにも大衆の気を引く演出である。暗い部屋で壁に頭をぶつけて苦悩を示しながら作曲するさまは、まるで江戸川乱歩が(実際はそうではなかったのだが)、暗い蔵の中で蝋燭をたてて執筆活動をしていたという売り文句を彷彿とさせる。「カリスマ○○」「神の手をもつ○○」「絶品○○」「○○の鉄人」などは評価の基準はなく、嘘でもいい。つまり売るためのエピソードや肩書にはどこまでが真実で、どこからが虚構なのかの区別はなくてもいいのである。もともと芸能界とは「夢を売っている商売」である。その夢が悪意のある虚構のものでも、はたまた真実であっても、もともと胡散臭いものなのだと話半分で納得し、その上で楽しい夢を見させてもらっていると鷹揚に構えたほうが楽しいのである。<o:p></o:p>