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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

クマゼミ参上と「未来の予めの搾取」

2014-07-28 17:46:33 | よしなしごと
 写真は今日はガキを出しに行った折に撮ったもの

 近くに樹木がある家が少ないせいか、うちには結構セミが集まってくる。狭い土地だけれどここで生まれたセミもいる。
 今朝も早朝からセミが鳴き立てているのだが、どうも今までとは違った急き立てるような鳴き方だ。
 「ん?これは?」と思ってネットでのものと聞き比べてみたら間違いなくクマゼミの鳴き声だ。

          
              休耕田に取り残された一株の草

 もう名古屋はほとんどクマゼミの天下なのに、私の家ではアブラゼミしかいないと書いたのは去年の今頃だった。ようするに、今年が初お目見えなのである。
 しかし、アブラゼミが駆逐されたわけではない。それはそれで健在で、これを書いているいま、数メートルの範囲で複数のものが鳴いている。
 ちなみに、クマゼミは今のところ一匹しか確認していない。

 今のところ彼らは棲み分けているようで、鳴く場所も違うし、時間帯も違う。
 どうも、クマゼミは午前中、アブラゼミはもっぱら午後のようだ。
 なお、以前はニイニイゼミもいたが、ここ何年も姿も声も確認していない。

          
      ここにカラスアゲハが 慌てて携帯で撮ったがこの枠外に逃げた

 毎年、夏が終わりに近づく頃、ツクツクボウシが現れるが今年はどうだろう。あの独特の鳴き方には郷愁を覚えるところもあって、夏のフィナーレにはふさわしい。

 子供の頃、大垣の郊外で過ごしたが、そこではアブラゼミ、ニイニイゼミ、ツクツクボウシ、それにミンミンゼミ、さらにはヒグラシもいた。
 しかし、クマゼミはいなかった。

 それもそのはず、クマゼミはもともと南方系のセミで、それがかくも北上したのは地球温暖化との関連を指摘する声が大きい。もしそれが事実なら、人間が地球をそのように加工しつつあることの一つの指標といえる。

          
          わかりにくいがセキレイのつがい 携帯の限度

 ついでながら、これまで人類は、次の時代のためのインフラの整備などの遺産を少なからず生み出してきたのだが、ことここに至って必ずしもそうではなくなったようだ。

 膨大は資源の消費による先取り、二酸化炭素の過剰な放出による地球環境そのものの破壊、原子力利用によるこの先何万年に及ぶ危険な廃棄物の放置などなどは未来への奉仕ではなく「未来の予めの搾取」ともいえる。
 ようするに、現代に活きる私達は、未来の人々への膨大な借財のなかで暮らしているわけだ。

 クマゼミの何かを急き立てるような鳴き声は、物品の消費や情報のやりとりにヒステリックに対応している現代人のBGMなのかもしれない。



コメント (1)
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