津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

加藤家御改易之節之事(一)

2012-04-21 17:52:47 | 歴史

熊本縣史料・近世偏第一 「部分御舊記-公用部四」に、「加藤家御改易之節之事」という一項があり、加藤家改易にかかわる一連の動きを細川家文書から知ることが出来る。「部分御舊記」の欠点は、時系列で記されていないことである。約15頁に及ぶ関連の記事を、日時をおってご紹介しようと思う。

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今度加藤肥後守事御國被召上候ニ付而家来之者とも立退
                       (脱アリ)
可申候 然彼家中之者於御分國其むより/\に宿をかし 
やすらひ候ても不苦候之間其御心得尤候 恐々謹言
   (寛永九年)               六月十三日         伊丹播磨守
                          康勝 判
                      水野日向守
                          勝成 判
                      稲葉丹後守
                          正勝 判
                      石川主殿頭
                              判
                      内藤左馬助
                              判
       細川越中守殿
             人々御中

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  態申入候
一、肥後熊本より唯今一人罷帰申候 町沙汰ニ而候へとも
  兎角慥なる儀を可承様ハ無御座候 其上加様之誠敷無
  之儀取分無之候へとも肥後親子をはしめ世になきうつけ
  をつくし申候間不知儀と存申入候
一、此書立之分折〃寄合申候ハ肥後被果候ヘハ勿論被流
  候而も同前ニ存候間わき/\ニハ無構候 此もの共熊本
  ニ而可相果と申候而切〃相談仕候由申来候 是ほと不聞
  儀ハ無之候間必定可為偽候 併貴様をはしめ左様ニ可在
  之事とハ思召ましき儀候条其心得無之但渡可申と迄思召
  候ハんと存候間万〃一此儀必定ニ候ハヽ御上使衆もやか
  て其元へ御出候ハん間御心心持ニ成可申と如此候
一、熊本兵粮高成百目ニ四石仕由ニ候 是ハしのひ/\ニ米
  を町のも買候躰も見へ申候 多買籠候とハ見へ不申候 米
  之高さハ常之一倍之由申候事
一、先肥後かたより渡候へとの状不参候内ハと角籠城之景気
  たるへく候と存候間先城を渡し候へとの御使はやく下申度
  候 其上を以彼所之躰見へきり可申と存候
一、万事を被仰付候衆豊後迄先早ク御下候ハヽ九州之者共
  共も参候て得御意度儀候 江戸まて言上不成儀多可有御
  座候事
一、豊後御横目衆へも如此申入候間必定ニ候ハヽ可為言上
  と存候事
一、弥必定と承候ハヽ貴様まても可申入候事
一、侍共ハ壱人も不残熊本ニ集候而居申候事
一、千ニ一右之気違もの共籠城可仕躰ニ候ハヽ田なとかりこ
  ませ不申候様ニ可被成儀と存候 万事加様之儀いかほと
  も可在之候間九州之者共参得御意候人御下候様ニ仕度
  儀候 はや肥後ニハ當年之米御座候所にて候事
一、侍共妻子知行/\ニ居候 籠城ニ成候ハヽ方々へ退可申
  候 是をもしめ申度候ヶ様之儀ハ千萬可在之候間書中ニ難
  述候 此状急候故本かい殿へ不申入候被遣可被下候 自筆
  にて可申入候へともわけ見へ申ましきとは以他筆如此候
  恐惶謹言
    未ノ刻
      六月十三日
            戸 左門殿          戸田左門氏銕 摂津尼崎城5万石→美濃大垣城10万石転封(寛永十二年)
                人々御中 

                           

 

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お安く読む オランダ風説書―「鎖国」日本に語られた「世界」

2012-04-21 09:29:20 | 書籍・読書

オランダ風説書 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E9%A2%A8%E8%AA%AC%E6%9B%B8については、WEB版稀覯書展示会において http://www.kufs.ac.jp/toshokan/50/ansei.htm 等が紹介されているが、まだ近しく読んでいない。
「お安く読む」精神で新書版で読んでみようと思う。 

オランダ風説書―「鎖国」日本に語られた「世界」 (中公新書)

           松方冬子-2010

             中央公論新社

著者を同じくして、『オランダ風説書と近世日本』 東京大学出版会、2007年がある。

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