態以飛脚申入候
一、御上使衆近々可為御着と察入候事
一、事之外日てりにて候間中國路舟はた一切水御座有間敷
候 人馬共ニ事之外成御人数にて候間先様中國路へ被仰付
ため水をくみため置候様ニ可然存候 我等共上下にさへ所
により冬も水きれ申候
一、御舟のりまへ之儀不及申候へ共只今者風も静ニ御座候
當年は年ふるく候条いつもより風早立可申候間御舟数一度
ニ御出舟候ハゝ大事之儀候間被成其御分別御相談尤候室
なと廣ミなとへ御座候へとも舟五百艘ならてハ懸り不申
候 其外ハ少完之舟懸りにて御座候
一、頭之御衆御揃候而御用之儀も御座候ハゝ被仰合舟数す
くなく御一所ニ御出船可被成儀と存候御供舟多ク候ハゝ
是又ミなと無御座候条気遣存候事
一、肥後之儀切々左右を承候 御諚次第城渡可申とて掃除
なと仕所々番をも引申由度々申来候加様ニ無御座候而不
叶儀候条申迄も無御座候
一、我等國之道筋大方ハ御用かけさる様ニはや申付候
得とも田舎之儀御座候条存儘ニ無御座候迷惑仕候隣國も
可為此分と存候事
一、右之段々不及申様ニ御座候へ共御事多候状結句加様之
儀ニハ御失念も可有御座与存手前之儀不憚如斯候恐惶謹
言
六月廿日
久因幡様
人々御中
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肥後之ものハ大方法躰仕専荷をのけ申由其上四方之番
も引申中/\楯籠之覚悟無御座候可被成其御心得候事
一、鷹之儀下々のハはなし申候肥後殿のハ定而年寄共参候
て左様之埒明可申由候 され共人を遣置申候只今鳥屋半に
も不成儀ニ候へともさのミ偽者御座有間敷候間いつれの
道にも随分調候様ニ仕せめての御慰ニ成候様ニと存候可
御心安候恐惶謹言
六月廿日
戸左門様
人々御中