津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■花畑邸内の政庁機能

2015-07-29 09:34:31 | 歴史

 細川藩においては家老の直属機関として「機密の間」がある。その長は「佐貮役」と称するが、さしずめ秘書課長といったところか。
宝暦期に至ると奉行丸に奉行所が設けられ、月番家老以下が出勤してここで政務が行われた。ここには広い「機密の間」が設けられている。

細川家の居館・花畑邸には家老達や一門衆が詰める建物がある。「御花畑御絵図」によると、能舞台を中心にして北に藩主の居館が広がり、能舞台の裏手・南側にこの建物がある。「御奉行の間」があり「機密の間」が存在する。
能舞台は元禄八年に造られているから、綱利公の時代である。綱利は側近衆を重用しそれらの意見を政務に反映させたという。
「新熊本市史 通史編・第三巻 近世Ⅰ」は、「熊本藩法と政治」から引用して、「藩主側近の御側方が独自の政治的権限を持ち、綱利が花畑屋敷で政務をとり始めた。奉行が御花畑当番として詰めるようになる。延宝期には奉行寄合での審議報告を花畑屋敷における御前会議で決定するようになっている」と記す。
絵図が語る一つの時代である。
 

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