市川市主催の、子どもを対象とした「ガムラン・ワークショップ」というものに応募したら当選したので、ひとあし先に年末休みに入り、息子と市川市文化会館まで出かけてきた。ワークショップ1時間のあとは1時間のコンサート、両方無料である。バリ島を含め、インドネシアを訪れたことはないので、ガムランには興味深々。
ワークショップは、演奏グループ「サリ・メカール」のメンバーが子どもに打楽器を叩かせ、合奏してみるというものだった。青銅でできたヴィヴラフォン(ガンサ、ウガール)は、響きが微妙に異なっており、合奏によってうなりを生じるよう調律された極めてファジーなものということだ。
コンサートでは、そのウガールとガンサあわせて6人くらいが主メロディーを奏で、低音のヴィヴラフォンであるジェゴガン1人が和音を被せていった。さらには幾つもの銅鑼も金属。そしてクンダンという両面の太鼓と竹笛スリンがそれらと違って生物起源の素材ということになる。
笛(と勿論舞踏)以外はすべて打楽器であり、「楽譜がなく、合奏でのみ成立する、まる覚えの全体音楽」は、やはり気持ちいい音楽だった。若林忠宏『民族楽器を楽しもう』(ヤマハミュージックメディア、2002年)によると、「ひとりではできないのが最大の悩み」だそうだ。
「基本的に調律はセット単位で、調律師の耳を頼りに作られるので、異なる場所、製作者の楽器では合奏できない場合が多い。その中で各パート楽器はたいがい二台ずつ微妙にピッチをずらして作られ、隣り合ったり向かい合って演奏し、強力なヴァイヴレイションを生み出す。パートによっては、二台で細かな旋律を分業するので、単体を入手してもパート練習すらできない場合もある。」