エスペランサ・スポルディング『Emily's D+Evolution』(Concord Records、2016年)を聴く。
Esperanza Spaulding (vo, b, p)
Matthew Stevens (g)
Justin Tyson (ds)
Karriem Riggins (ds)
Corey King, Emily Elbert, Nadia Washington, Fred Martin, Katriz Trinidad, Celeste Butler, Kimberly L. Cook-Ratliff (background vo)
エスペランサは以前の素朴な服とアフロヘアーから、派手なメガネとアミアミのヘアーに激イメチェンしていて、さぞ新作も野心的な大作かと思ってのぞんだところ、それはいい意味に裏切られた。
知的な女の子がベースを弾きながら、大きな口を開けて、息遣いとともに歌うという点ではこれまでと同じ。発散するのは「もうひとりの自分」という、フェミニンな個的世界観であり、いやイイね。
シンプルな編成で、ジャズもポップスもロックも混ぜこぜ。きっといろいろな音楽を聴いて愛してきたからこその音楽なのであり、これをもってジャズだとか何だとかいうことがあまりにも無駄に思える。
基本的にはエスペランサ、マシュー・スティーヴンスのギター、ジャスティン・タイソンかカリーム・リギンスのどちらかのドラムス、それにバックグラウンドのヴォーカル。日本盤にはボーナス・トラックが3曲付いていて、このメリットは「Unconditional Love」の別ヴァージョンが入っていることで、タイソンとリギンズのドラムスを聴き比べられる(アレンジのアプローチも違うのだが)。わたしはどちらかと言えば、いろいろな工夫を繰り出してくるリギンズが好み。
●参照
トム・ハレル『Colors of a Dream』(2013年)(エスペランサ・スポルディング参加)
エスペランサ・スポルディングの映像『2009 Live Compilation』(2009年)