荒武裕一朗『Time for a Change』(2015年)を聴く。
Yuichiro Aratake 荒武裕一朗 (p)
Daiki Mishima 三嶋大輝 (b)
Tamaya Honda 本田珠也 (ds)
Guests:
Shinji Hashimoto 橋本信二 (g)
Yoshihito P Koizumi 小泉P克人 (b)
冒頭にトリッキーな曲「Blue Rondo A La Turk」。荒武裕一朗のイントロに続き、本田珠也のドラムスがずどどど、と入ってくる。これである。20年以上前にはじめて本田さんのプレイを観たとき、あまりの轟音に仰天した。次に観たときには痺れた。辛島文雄『Open the Gate』が出たときには飛びついて聴いたのだが、残念ながら、さほど録音がよくなかった。この盤くらいの音が再現されていたなら、当時どれだけ嬉しかっただろう。
このドラミングの何がどのように凄いのかうまく説明できない。大技も小技もバランスも、すべてがトータルにいいとしか言えない。いつだったか、松風鉱一さんも「すげえだろう」と言っていた。本盤を聴いていても、音のひとつひとつに反応してしまう。
荒武さんのプレイを直に観たことはない。ライナーを読んで、本田竹広の弟子筋にあたるピアニストだとはじめて知った。かつて一度だけ新宿のDUGで本田竹広のプレイを観て、うっとりとしてしまった記憶がある。それを意識してもしなくても、ブルージーで、聴けば聴くほど酔ってしまうようで、包み込むようなピアノである。ぜひ時間を見つけてライヴに行かなければならない。
●参照
蓮見令麻@荻窪ベルベットサン(2015年)(本田珠也参加)
鈴木勲セッション@新宿ピットイン(2014年)(本田珠也参加)
本田珠也SESSION@新宿ピットイン(2014年)
ポール・ニルセン・ラヴ+ケン・ヴァンダーマーク@新宿ピットイン(2012年)(本田珠也参加)
石田幹雄トリオ『ターキッシュ・マンボ』(2008年)(本田珠也参加)