アンソニー・ブラクストン+テイラー・ホー・バイナム『Duo (Amherst) 2010』(2010年)を観る。
Anthony Braxton (as, sopranino sax, ss, bs)
Taylor Ho Bynum (cor, flh, pocket cor, tb, piccolo tp, bass tp)
45分ほどのデュオを2セット。
ブラクストンは、いつもの微分的なピロピロ音によって、情感を込めることやブルース的なものを追及することをはなから放棄している。次々にサックスを持ち替えては、ヘンな音ばかりを発する。ソプラニーノで「ンギョー」と音にならない音を出したりして、何のためのソプラニーノか。
かたやバイナム。ブラクストンが痙攣しながらバリトンサックスを吹く前で、ロケット花火のような音を連発。ペットボトルの水を朝顔から注ぎ入れて、こぼれないように上を向いて泡立たせる。変態か。
隙間だらけの、隙間しかないような音楽的時空間である。森順治さんと橋本英樹さんとが、このふたりのデュオに触発されて行ったライヴを観て、それは楽しい時間だった(森順治+橋本英樹@Ftarri)。この有り余るほどの自由度の高さゆえかもしれない。
●アンソニー・ブラクストン
アンソニー・ブラクストン『Ao Vivo Jazz Na Fabrica』(2014年)
アンソニー・ブラクストン『Trio (Victoriaville) 2007』、『Quartet (Mestre) 2008』(2007、08年)
ブラクストン、グレイヴス、パーカー『Beyond Quantum』(2008年)
ブラクストン+ブロッツマン+バーグマン『Eight by Three』(1997年)
アンソニー・ブラクストンはピアノを弾いていた(1995年)
映像『Woodstock Jazz Festival '81』(1981年)
ムハール・リチャード・エイブラムス『1-OQA+19』(1977年)
アンソニー・ブラクストン『捧げものとしての4つの作品』(1973年)
デイヴ・ホランド『Conference of the Birds』(1973年)
ジャズ的写真集(2) 中平穂積『JAZZ GIANTS 1961-2002』
●テイラー・ホー・バイナム
アンソニー・ブラクストン『Ao Vivo Jazz Na Fabrica』(2014年)
Book of Three 『Continuum (2012)』(2012年)
アンソニー・ブラクストン『Trio (Victoriaville) 2007』、『Quartet (Mestre) 2008』(2007、08年)