日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
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2010年6月29日 続・トラベルライターって

2010-07-05 23:36:50 | ノンジャンル
 少し前に書いたネタの続き、と言うか発展系。

 インターネットをウロウロしていると、日本一周ところか世界一周を何年もかけてやってる人が意外と多く旅行記やブログを書いている。人の足跡を辿る趣味はないのでどこもチラとしか見ていないが、そういう人の中で旅日記やツーリングの足跡を本にして出している人も少なくない。

 彼ら(女性も含めて)の足跡は疑うべくもない。だが、ライターとしての実力は皆あるのか。それとも「自費出版」に毛が生えた程度の読み物なのか。買って確かめるほど酔狂な金の使い方をする趣味は持ち合わせていない。彼らは「豊かな青春、惨めな老後」を送るのか。それとも幾つになっても意気揚々、旅から旅への人生を送り続けられるのか。

 趣味でやっていたことがプロに認められ、勧められてプロに…と言うのは割とよく聞く話。旅行エッセイを書く人の多くはそういうきっかけで本を出しているのではないか。少なくとも最初は、売れるために読者ウケするようなネタを無理やり探し出して書いたわけではなかろう。聞いたプロの人が「それ、面白いから本にしてみない?」とか「この人の視点は実にユニークだから」みたいな?

 インターネット万能な時代になって、自分の作品を世に発表するハードルは低く、いや無くなったと言って良いのかもしれない。誰も彼もがトラベルライターに成り得る時代、玉石混交の紀行文から人気者が出るのはどういう要因によるものかは分からない。そう考えると「トラベルライター講座」なんてのは昔ながらの文筆業チックで陳腐な企画にも見えてしまったりする。

 振り返って自分。仮に旅というジャンルの中で自分が書けそうなテーマは何だろうか。「商品価値」の分析だ。鉄道旅行、航空旅行(マイレージ)、ユースホステル、、、どれも既に「その道の権威」がいらっしゃる。まぁバッティングしても良い、自分が同じ土俵で戦えるだけの知識や経験を持っているのか、読む人を惹き付ける魅力的な文章を纏められるのか、、、

 やっぱ無理そうだね。(苦笑)

 もし私がライティングできそうなテーマを思いつかれた方、こっそりメール下さい。「夏休みの宿題」として頑張って書いてみますので~。
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【本】阿部 等著 「満員電車がなくなる日」(角川SSC新書)

2010-07-05 07:01:32 | 本・映画・展覧会
 サブタイトルは「鉄道イノベーションが日本を救う」。

 満員電車は何故なくならないか。本当になくならないものなのか。ある意味単純素朴な疑問について、交通コンサルタントの著者が解決方法を提示する。

 正直、「トンデモ本」と言う印象はぬぐえない。書き出しの電車混雑の歴史あたりの統計紹介は良い。都市(本書では主に首都圏)の発展と共に混雑区間は拡大し多様化している様子が理解できる。

 だが、本書で著者が提案する「解決作」は空想科学小説並みとは言わないが、あまりに現実までのハードルに関し楽観的すぎる。厳しい言い方をすれば、「できることは分かった、で、誰のお金でどうやんの?」という実装部分がすっぽり欠落している。要するに技術論文の域を出ていないように思えるのだ。

 例えば…通勤ラッシュの改善のため、現在の複線を三線化し、中央は朝と晩で通行方向を逆にする。で、車両は朝は上り方向、夕方は下り方向に15両編成を並行して走らせる。ここまではまぁ良い、双信号方式はロシアとかで何度か乗った。問題はその後。ではその2編成を始発駅に運ぶには?「15両編成x2の30両編成、ただしホーム有効長が無いので後ろ15両は回送扱い」「三線区間の両端に車両基地を設ければ実現可能」えぇ~と思うでしょ?そもそもどうやってあと1本を増やすかってのもあるんだけど、その後は…変電所の容量とか、ピーク時に合わせて増備した車両の運用効率とか、維持管理費用とか考えないのか?

 と、提案ごとにツッコミどころ満載で面白いっちゃぁ面白い。おかげで一気に読めました(苦笑)。最大の問題点は、輸送力を増やせば混雑は解消するという前提で論理展開されていること。輸送力が増えれば沿線人口はさらに増加する。その増加のペース以上に輸送量が増えない限り、混雑率が現象することはない。設備投資しても輸送量が増えない「改善」に鉄道会社がどれだけ投資するものか。

 まぁまぁ読めるのはクルマとの税負担や運賃負担について書いた最終章、将来的にはIC乗車券(Suicaみたいなの)の全面導入で、時間別運賃の導入とか書いてるけどそれはアリだと思う(高速のETCみたく)。ただし、会社の通勤費は基本的に定期券ベースで支給されることが多く、フレックス勤務などをするとどうなっちゃうんだろう?とか思うけど。

 これが仕事の総てではないだろうが、本書に「交通コンサルタント」の肩書きはかえって不利なのでは?と思う。この程度の内容を書く人に交通政策立案なんて絶対に依頼したくないからね。夢を見たい人にはおすすめかも。

 2010年6月29日 超満員の通勤電車車中にて読了
コメント (3)
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