耐震偽装、食品偽装、社会保険庁、、、本書では世間を騒がせた問題について、騒がせた結果おこってしまった「問題の本質の追及」について著述している。
おっしゃる通り、どうでも良い些末なことにとらわれたり表面的な事象のみに気を取られ「本当の問題」「本当の原因」の追及がないがしろにされている、ものごとの深く考えることがないがしろにされている(それを本書では「思考停止」と呼んでいる)事例が最近の日本では多過ぎるように思う。その点では本書に共感。
一方で、本書で著者が述べている各例の解説において、「いや、それは違うんじゃないか」と思う点もある。例えば社会保険庁問題。著者は「不適切な処理」はあったものの、それを一律的に「改ざん」と呼んでよいものか疑問だと言う。法的に認められている、社保庁職員による「記載訂正」も否定してしまうのは如何なものか、と。だがそのことで、年金負担/受給に不公平が生じることに対し、問題点を認めつつも「払えないものは仕方ない」的に読める著者の論調には賛同できない。
大いに共感できる章もある。マスメディアの偏向報道ぶり。TBSが「朝ズバ」で不二家を叩いた事例を検証しているが、およそ放送局にしろ新聞社にしろ、いったん世に流してしまった報道に対する訂正は恐ろしく小さく、オリジナルの報道がもたらす影響度合いを考えるとフザケンナと思うのは常々。
悪いのはマスメディアだけではない。ワイドショーやゴシップ雑誌のタイトルだけ見てイメージを抱き行動する消費者も褒められたものではない。そこを認識せず一方的にどこかを批判すること自体が「思考停止」状態にあるわけで。
本書内に解説されていること自体すべてが本当か考えつつも、巷間一般の「評判」「印象」はどうかと見直すのは良いことだと思う。
2011年2月16日 通勤電車車中にて読了
おっしゃる通り、どうでも良い些末なことにとらわれたり表面的な事象のみに気を取られ「本当の問題」「本当の原因」の追及がないがしろにされている、ものごとの深く考えることがないがしろにされている(それを本書では「思考停止」と呼んでいる)事例が最近の日本では多過ぎるように思う。その点では本書に共感。
一方で、本書で著者が述べている各例の解説において、「いや、それは違うんじゃないか」と思う点もある。例えば社会保険庁問題。著者は「不適切な処理」はあったものの、それを一律的に「改ざん」と呼んでよいものか疑問だと言う。法的に認められている、社保庁職員による「記載訂正」も否定してしまうのは如何なものか、と。だがそのことで、年金負担/受給に不公平が生じることに対し、問題点を認めつつも「払えないものは仕方ない」的に読める著者の論調には賛同できない。
大いに共感できる章もある。マスメディアの偏向報道ぶり。TBSが「朝ズバ」で不二家を叩いた事例を検証しているが、およそ放送局にしろ新聞社にしろ、いったん世に流してしまった報道に対する訂正は恐ろしく小さく、オリジナルの報道がもたらす影響度合いを考えるとフザケンナと思うのは常々。
悪いのはマスメディアだけではない。ワイドショーやゴシップ雑誌のタイトルだけ見てイメージを抱き行動する消費者も褒められたものではない。そこを認識せず一方的にどこかを批判すること自体が「思考停止」状態にあるわけで。
本書内に解説されていること自体すべてが本当か考えつつも、巷間一般の「評判」「印象」はどうかと見直すのは良いことだと思う。
2011年2月16日 通勤電車車中にて読了