旧日本軍の指導者ものを観るのは「真夏のオリオン」以来だろうか、前回は海軍の潜水艦長(玉木宏)が主役だったが今回は陸軍大尉である。
舞台のサイパンは訪問して戦跡にも立ち寄ったので、舞台のイメージは掴める。ミクロネシア戦線、蒸し暑く兵タン補給も得られない島で戦い力尽きていった兵隊さん達を思うと本当にいたたまれない。
そんな劣悪な環境下で部下だけでなく民間人をも統率して生き抜いた優秀なリーダーが実際に居たという。第二次世界大戦後半の各軍指導者はロクでもない人物ばかりになってしまっていたようだが、現場には極めて稀ながら優秀なリーダーがいたということか。
軍隊に限らないだろうが、優秀なリーダーとは正確な情報を集め、冷静に分析し、その意志をきちんと集団のメンバーに伝え行動の統一を図れる人間なのだなぁ。劇中でもそうだったが、実際には数多いメンバーには「反乱者」が出ることはある。だがその「小異」に拘ってはいられない。そこまで考えて今この国を指導する層の振舞いはどうであるか、リーダーとしての資質はいかがなものか、考えずには居られなかった。
ただ、劇中の大尉は内心どう思っているかはともかく、あくまで帝国陸軍軍人としての任務を全うしようとし、生き延びるために降伏と言う手段は採らない。最終的には投降するが、それは何故か。投降が終戦と言うタイミングではなく暫くの後であったことは何を意味するのか。
さらに、搭乗機が上空を通過したグアム島の横井さん、ルバング島の小野田さんを思い出した。きっと終戦後しばらくは、太平洋戦線あちこちの島にひそかに生き延びた「帝国軍人」達がいたに違いない。何だかとても哀しい。
2011年6月29日 JL772便(シドニー→成田)機中にて
舞台のサイパンは訪問して戦跡にも立ち寄ったので、舞台のイメージは掴める。ミクロネシア戦線、蒸し暑く兵タン補給も得られない島で戦い力尽きていった兵隊さん達を思うと本当にいたたまれない。
そんな劣悪な環境下で部下だけでなく民間人をも統率して生き抜いた優秀なリーダーが実際に居たという。第二次世界大戦後半の各軍指導者はロクでもない人物ばかりになってしまっていたようだが、現場には極めて稀ながら優秀なリーダーがいたということか。
軍隊に限らないだろうが、優秀なリーダーとは正確な情報を集め、冷静に分析し、その意志をきちんと集団のメンバーに伝え行動の統一を図れる人間なのだなぁ。劇中でもそうだったが、実際には数多いメンバーには「反乱者」が出ることはある。だがその「小異」に拘ってはいられない。そこまで考えて今この国を指導する層の振舞いはどうであるか、リーダーとしての資質はいかがなものか、考えずには居られなかった。
ただ、劇中の大尉は内心どう思っているかはともかく、あくまで帝国陸軍軍人としての任務を全うしようとし、生き延びるために降伏と言う手段は採らない。最終的には投降するが、それは何故か。投降が終戦と言うタイミングではなく暫くの後であったことは何を意味するのか。
さらに、搭乗機が上空を通過したグアム島の横井さん、ルバング島の小野田さんを思い出した。きっと終戦後しばらくは、太平洋戦線あちこちの島にひそかに生き延びた「帝国軍人」達がいたに違いない。何だかとても哀しい。
2011年6月29日 JL772便(シドニー→成田)機中にて