日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
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【本】植村鞆音・大山勝美・澤田隆治著 「テレビは何を伝えてきたか」(ちくま文庫)

2013-08-28 23:28:21 | 本・映画・展覧会
 民放テレビ創生期から「一億総白痴化」(by大宅壮一氏)の時代を経て今日まで、局からプロダクションを経験してきたベテラン2人による鼎談。結構おもしろい。

 相応のお年であるので、多少は回顧談は止むを得ない。面白く感じるのは、テレビ局側の理屈ばかりを振り回さず視聴者の立場でどうかと言う目を持ち発言しているからだと思う。

 こういう大御所もいらっしゃるのに、何で安上がりなバラエティばかり作るようになっちゃったかねぇ。最近、食事の店で見るか地震や台風の際に見るかくらいだもの。映像ならではの訴求力は間違いなくあるのでテレビが消えることは無いと思うけど、今のあり方で残って欲しくはないと改めて思ったのでありました。

 2013年8月某日 通勤電車車中にて読了
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【映画】SHORT PEACE

2013-08-28 07:00:49 | 本・映画・展覧会
 予告編で「本当のアニメーションを忘れてしまった大人たちへ」とか何とか挑戦的なコピーがあったこともあるし、あの大友克洋監督作品もあることだし意気込んで出撃!タイトルの通り、4つの短編作品による「オムニバスアニメ」だが、観たあとの感想としては「オープニング」も立派な作品として5つの、としたい。

「オープニング」(森本晃司監督)
 かくれんぼする女の子2人、隠れた相手を探すうちに不思議な迷宮に入り込んで…後半の'70年代コンピューター・ミュージック的サウンドと万華鏡的サイケな色遣いが印象的だった。

「火要鎮(ひのようじん)」(大友克洋監督)
 ストーリー省略。江戸の大火事の場面が実に力の入った赤の重ね色…なんだけど、何となくストーリーがつまらなく感じられた。終わり方も「あとはご自由に想像を」的で、観客としては放り出された気分。

「九十九(つくも)」(森田修平監督)
 九十九と言うより憑物神の方が正しいような物語。山中で雨宿りのためお堂に入り込んだ旅の男の前に、次々と捨てられし物たちが男の前に現れるが、男はそれらを次々と丁寧に修理していってやる…総ての物に神が宿り、MOTTAINAI精神できちんと修繕する麗しき日本的考えを見事に表した作品。この映画を見せられても欧米人には理解できないかもしれないね。

「GAMBO」(安藤裕章監督)
 なんか、椋鳩十作品のイメージもあったし吉村昭「羆嵐」の雰囲気も漂うし、ストーリーみえみえ。化け物が人を襲い攫ったり殺したりするシーンや、その化け物と正義の白熊?GAMBOとの死闘シーンばかり強調されて見えてしまった。

「武器よさらば」(カトキハジメ監督)
 原作は大友克洋。あー、これこそ大友作品ってキャラクターですね~♪近未来に生きる人間臭い男たちの闘いを描いて。しかし、無力感と言うか絶望感を感じる結末ってのが「世界のオオトモ」テイストなのか。だとしたらちょっと淋しい。

 全体としての纏まりは感じられなかったな。でも一作ごとにどうだった?って振り返ると、すごく濃密な時間だったことに気付いた。

 公式サイト:http://shortpeace-movie.com/jp/

 2013年8月13日 川崎・チネチッタにて
コメント (2)
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