バックパッカー系作家(もしくは出版家)の大御所、蔵前氏の主としてバックパッカーとなって以降の自伝作。海外のことなど何一つ知らず、行き当たりばったり的に旅した先はインド。自覚はなかったが気付けばハマり、旅のスタイルはバックパッキング。そういう暮らしや人脈で得た情報を同好の旅人に拡げるべく著名な雑誌「旅行人」を創刊し、先年休刊に至るまでの経緯を克明に描いており大変興味深い。作中に登場する多くの旅行作家の名前には見覚えがある。読んだ作品も多いのだ。自分はバックパッカーではないが、多大な関心を持っていたことは否めない。否定する必要もないけど。
彼の経歴=日本におけるバックパッカーの歴史と言って過言でないほど、このジャンルへの影響力は大きい人。ちょっと以前に見聞きした印象ではあまり好きなタイプではなさそうな人なのだが、それはまぁどうでも良い。彼が採ってきた行動、方法には共感しかねる部分が多かったが、それでも「結果」を残してきたことは疑いない。
自分の思う通りにやりたくて始めた仕事が、自分の思う通りの人生を送れない障壁となってゆく皮肉は、起業した人の多くに当て嵌まる(可能性がある)ことだろう。海外への旅を舞台とした物語であるが、書かれている奮闘や苦悩は普遍的な題材ととれる。
それにしても、著者と下川祐治氏、彼らを超える若い人は登場しないのか、しているけど自分が知らないだけなのか。それとも昨今のわが国の状況でそういう人材は生まれないものなのか。どうなんでしょうね?
2016年9月24日 ジャカルタのホテルにて読了
彼の経歴=日本におけるバックパッカーの歴史と言って過言でないほど、このジャンルへの影響力は大きい人。ちょっと以前に見聞きした印象ではあまり好きなタイプではなさそうな人なのだが、それはまぁどうでも良い。彼が採ってきた行動、方法には共感しかねる部分が多かったが、それでも「結果」を残してきたことは疑いない。
自分の思う通りにやりたくて始めた仕事が、自分の思う通りの人生を送れない障壁となってゆく皮肉は、起業した人の多くに当て嵌まる(可能性がある)ことだろう。海外への旅を舞台とした物語であるが、書かれている奮闘や苦悩は普遍的な題材ととれる。
それにしても、著者と下川祐治氏、彼らを超える若い人は登場しないのか、しているけど自分が知らないだけなのか。それとも昨今のわが国の状況でそういう人材は生まれないものなのか。どうなんでしょうね?
2016年9月24日 ジャカルタのホテルにて読了