日本に帰化した元通訳将校のキーン氏と、何年か前に亡くなった堤さんの対談を再構成、それにエッセイを加えた一冊。日本文学に関する対談なのだから、タイトルの堤と辻井の書き順は逆転させるべきだったと思う。本書で経済人・堤氏が登場するのはパルコ創立の頃のエピソードを語るくらい。やはり作家・辻井氏が日本文学を語るシーンの方が圧倒的に多いのだから。
戦後日本文学の特徴は何か、なぜそういう作風作品が生まれたのか、日本の風土や日本人の意識や思考は作家作品に影響を与えているのか。語り口はそう難しくないが、内容はけっこう難しい。戦後の日本文学におけるさまざまな作家について論じられ、特に三島由紀夫の占める割合が多い所はちょっと「どこまで読んでいるか、三島を識っているか」の語り比べになっているきらいもあるが、それでもお二方とも三島だけでなく多くの作品を読み込み記憶しているものだと感心させられた。
内容が高度すぎるのと、対談に出てくる作品作家で読んでいないものが多く、十分な理解に至らず残念。
2017年9月6日 自宅にて読了
戦後日本文学の特徴は何か、なぜそういう作風作品が生まれたのか、日本の風土や日本人の意識や思考は作家作品に影響を与えているのか。語り口はそう難しくないが、内容はけっこう難しい。戦後の日本文学におけるさまざまな作家について論じられ、特に三島由紀夫の占める割合が多い所はちょっと「どこまで読んでいるか、三島を識っているか」の語り比べになっているきらいもあるが、それでもお二方とも三島だけでなく多くの作品を読み込み記憶しているものだと感心させられた。
内容が高度すぎるのと、対談に出てくる作品作家で読んでいないものが多く、十分な理解に至らず残念。
2017年9月6日 自宅にて読了