日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
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【本】高橋秀実著 「定年入門-イキイキしなくちゃダメですか-」(ポプラ新書)

2022-05-30 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 そろそろ、周囲で定年を迎える人が増えてきた。ただ退職する人はおらず、み んなシニア社員として引き続き勤務している。経済的な問題か、やりがいの存在か。

 一般的には定年退職=のびのび好き勝手な人生、と考えてしまうが、そういう 考えに冷や水をぶっかけるようなタイトルに惹かれて本書を借りてみた。ところが登場する定年退職者は皆イキイキしている(ように読み取れる)。「だめですか?」と言うのは、インタビューして気圧される、同じく定年世代の著者の焦りのようである。

 「何もせず、日々ぼんやり過ごしているだけですよ」なんて人はインタビュー相手にいなかったのだろうか。いても文章にできないので割愛したのだろうか。著者の出発点は「何かしなければいかねいのだろうか?」と言う素朴な疑問ではないかと勝手に思ったのだが、そうであれば、例え傍目にはつまらなそうに見ても本人は満足している、そんな人も紹介すべきだろう。

 本書において著者は、単なるインタビューアー、単なる記録まとめ者としてしか機能していないように見え、ならば他の誰かでも良いのではと思えてくる。思い込みや偏見は良くないが、インタビューを通じ、同世代である著者はどう思ったのか、巻末にでも一節に綴って欲しかった。

 2022年5月16日 実家より戻る電車内にて読了
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【本】武田文男著 「冒険物語百年」(朝日文庫)

2022-05-30 06:00:00 | 本・映画・展覧会
 古今東西の冒険者にまつわるエピソードをコラム形式で紹介した作品集。植村直己にとどまらない、多くの日本人クライマーも紹介されている。もちろんヒラリーやメスナーにテンジン、ウェストンと言った日本人になじみの深い人々も。

 著者もあとがきに書いているが、本書に採録された「冒険物語」が登山と極地 探検に限られているのが残念。アマゾン川下りも、ジャングル探検も、海洋横断 もあるだろう。宇宙へ行くのは冒険とは言わないのだろうか。

 いずれにしても、紹介された人々の半数以上は山で遭難死している。遭難しないと一流と見做されないわけではないが、一流の人ほど生死の境ギリギリのところを攻めるため亡くなる確率も高いのだろう。どれだけ装備が充実しようとも、判断を下し手足を動かすのは人間だ。だが、無事に下山し人生を全うすることに最大の価値があると言っても、こうした「冒険者」には通じないのだろうなあ。

 2022年5月15日 実家にて読了
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