日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
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【本】ハインリヒ・ハラー著/福田宏年訳 「セブン・イヤーズ・イン・チベット-チベットの七年-」(角川文庫ソフィア)

2022-09-01 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 「ブラピ」ブラッド・ピット主演の映画(写真)で広く知られたと思われる、オーストリア人登山家である著者が第二次世界大戦末期~戦後の7年間をチベットで過ごした体験記。どうもヒルトン作「失われた地平線」と混同しちゃってましたスミマセン。

 前半は、ヒマラヤ登山から下山した著者がイギリス人に捕まって捕虜となり、収容所を脱走して最高6,000m級の高地を2年がかりで踏破し念願のラサに至るまでの逃亡記と言うか冒険記。後半は、ラサに落ち着き過ごし、ついには第14代ダライ・ラマの家庭教師となり親交を深め、中国赤軍の侵入から逃れチベットを後にするまで。

 前半はスリル溢れる物語、冗談でなく何度も生命の危機に瀕した著者がピンチを脱するさまは、強靭な意思と明晰な頭脳と強力な幸運に感心せずにいられない。後半はラサでの見聞録、チベット人の民俗風習を詳細に記録するばかりでなく、価値観や考え方まで踏み込んだ考察が素晴らしい。

 中国に踏みにじられてしまったチベットだが、それでも一度は行ってみたい。世界一の高地を走る列車に乗り、さらにラサから奥へ、ヒマラヤの山々を間近に見ながら旅してみたい。高山病を克服できれば、の話だが。

 2022年8月30日 自宅にて読了
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【本】下川裕治著 「鉄路2万7千キロ 世界の「超」長距離列車を乗りつぶす」(新潮文庫)

2022-09-01 06:00:00 | 本・映画・展覧会
 下川裕司さんって近年は海外鉄道旅行モノもけっこう出していて、一瞬「これ読んだっけ?」と思ってしまったり。でもやっぱり読んでなかった。世界各国の超長距離列車の乗車記。乗車したのは以下。

1.インド(ディブラガル→カンニャクマリ、4泊5日)
2.中国(広州→西寧→拉薩、2泊3日)
3.ロシア(ウラジオストク→モスクワ、6泊7日)
4.カナダ(バンクーバー→トロント、4泊5日)
5.アメリカ(シカゴ→サンアントニオ→ロスアンゼルス、3泊4日)

 インドはまさに下川さんのイメージと言ったら失礼か。超長距離列車には興味あるけど、指定席まで相乗りになっちゃうような列車には乗りたくない。自分がムンバイ→ニューデリーの寝台車に乗った時は全くそのようなことはなく、面白い旅だったんだけどな。

 中国は他の列車で、ロシアは著者と同じ列車に乗っている。これくらいが自分のレベルに合ってる気がする。この両国の列車は、車内に給湯器があるのが旅の大きな助けになる。

 カナダはないけどアメリカは他の列車の座席車、寝台車とも乗っているので想像がつく。座席車はまあ安いけど、寝台車はバカ高い。でも1泊なら良いけど2泊以上を座席車ってのもキツい。いずれ乗りたいけど、どうしたものかな…

 新型コロナ渦による渡航制約も少しずつ緩和されてきている昨今、本書を読んだら海外鉄道旅行をしたくなった。

 2022年8月24日 自宅にて読了
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