日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
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【本】賀川豊彦著 「死線を越えて」(現代教養文庫)

2023-05-10 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 社会の底辺にあえぐ人々の暮らしと、自らもそうした苦界に身を投じ生命の灯を燃やした青年の姿を描いた、著者の自伝的作品で大正時代のベストセラーになったとも言う。

 キリスト教の明治学院に学んでいたが思うところあって故郷徳島へ帰ったものの実夫や妾とはうまくゆかず、いろいろ煩悶するうちに敢えて神戸の貧民窟に居を移し、低賃金重労働で教養の欠片もなく生きる本能のみで動いているような連中に酷い目に遭わされたりしながら布教活動を行い、ついには命を落とす主人公。トータルで見れば美談なのだろうなあ。東京を引き払うまでは自意識過剰で頭でっかちな大学生にしか見えない。

 その後も主人公は面倒で上手くゆかないことばかり、これでもかと押し寄せてくる様子には、なぜ彼ばかりこんな目にと思うし、そうした事案への対応についてももっと上手に捌けないものかと思ってしまう。そうしないのが立派なところで、人気を博し或いは同情を得た所以なのだろう。

 情景描写をみるに、100年ほど前の日本の民度は、生活レベルは、かくも低く劣悪であったかと思う。ひょっとしたら成功者になれば今より遥かに庶民との差のある裕福な生活を送れたのかもしれないが、一般庶民でしかいられないのであれば、現代に生まれた方がずっと良い。

 物語は極端な例を示したのだろうが、時代背景は的確なのだろう。本書のどこに、当時の人々は惹かれたのだろうか。或いは自らの身を登場人物の誰かに重ねたのかもしれない。現代に読むと、遠い世界の物語としか感じられなかった。

 2023年4月11日 新潟より戻る新幹線にて読了
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2023年4月9~11日 【旅行】'23春の青春18きっぷ旅(3)長岡観光

2023-05-10 06:00:00 | 旅行・ハイク&ウォーク
 長岡は大きな町だが、ことさら降りて観光するといった機会はなかった。帰りは新幹線にしたこともあり、小千谷からいったん北上して長岡で降り、夜の新幹線まで観光することにした。

 そのつもりで調べると、見どころは幾らもある。それぞれ駅からさほど遠くはないが、公共交通機関であちこち回るのは厳しい。レンタカーも手配しておき、Google Mapに訪問先をプロットしておき、効率よく移動できるよう準備。長岡駅近くを9時半に出発し、以下の順に見学して回った。ちなみにレンタカーは三代目スバル・ステラで初めて乗る車種だが、中身はダイハツ・ムーヴだって。最近の軽はOEMが多く、もう何が何やら解らない。

(1)越路郷土資料館
 少し離れた来迎寺にあり、かつ午前中のみの開館のため真っ先に訪問。展示室は建物2階の一室のみで展示品も多くはないが、白磁の壺が見ものか。隣接する、元は学校と思しき2階建ての大きな木造建物が美しかった。

(2)新潟県立歴史博物館
 新潟の歴博は新潟市でなく長岡市にあると、今回の準備中に初めて知った。さすが県立の施設、大きく館員も多く展示も充実。中越地震(2004)に関する展示に専用のスペースが割かれているのが印象的だった。

(3)長岡花火ミュージアム
 「道の駅 ながおか花火館」敷地内にあり、花火の紹介をする無料コーナーと、有料のドームシアターがある。昼時のため、道の駅内のフードコートで長岡ラーメンの昼食で時間調整ののちドームシアター鑑賞。正三尺玉の連発で有名な長岡花火のハイライト「フェニックス」に至るまでの映像は、発色が今一つで残念だったが音と振動で臨場感は味わえた。

(4)山本五十六記念館
 言わずと知れた大日本帝国海軍の連合艦隊司令長官の生涯と遺品を展示。ハイライトは、パプア・ニューギニア国から借用?している撃墜時の搭乗機(一式陸攻)の左翼の一部。大きく破損している、色褪せた翼には何とも言えぬ。今年は没後80年に当り、国葬・分骨帰還時の写真なども特別展示が始まったところだったのは幸いだった。 

(5)長岡市立科学博物館
 旧長岡市庁舎内に設けられた施設で、自然科学系の展示。もう少し長岡で観られる生物とか充実して欲しかった。

(6)長岡藩主牧野家史料館
 上記と同一ビルの別フロア、歴代藩主の生い立ちや功績など紹介。

(7)長岡市郷土史料館、悠久山公園
 そろそろ陽が傾いてくる中、ここだけ駅の東側にある施設へ、史料館は悠久山公園の一角にあり、駐車場から斜面を登って行き10分ほどかかった。公園内はまだ桜が綺麗に残っており、今年の見納めができた(写真)。旧長岡城には天守閣はなかったが、そのイメージとして高台の当地に城を模した施設が造られた由。その天守閣からの眺めは素晴らしく、弥彦山がしっかり見え、年に数回は佐渡島まで見えるのだそう。

(8)長岡震災アーカイブセンター きおくみらい
 給油してレンタカーを時間ギリギリに返却、50㎞ほどしか走らなかった。その上で遅くまで開いている駅近くの当館を徒歩で訪問。ビデオアーカイブなどあり、しっかり見るには時間がかかりそうだったがサラリと一回りして退館。本日休館だった施設、時間が足りず行けなかった施設もあり、ここは再訪しても良さそう。 

 最後の施設見学は行くべきではなかった。見学が中途半端で終わったうえに、予約していた新幹線に乗り遅れてしまった!後続列車の自由席で帰れば良いじゃんと思ったら、格安の「えきねっと割引」で購入した特急券は変更不可で無効とのこと(乗車券は有効)。改めて後続列車の特急券のみ買い直す羽目になったのであった。

 最後はオチが着いたものの、水郡線、只見線と2本の長大ローカル線乗車、2つのYH宿泊、長岡市内見学とすべて充実しており、大満足の旅だった。(おわり)
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