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「紅雲町ものがたり」吉永南央

2012年03月15日 21時50分27秒 | 読書(小説/日本)

「紅雲町ものがたり」吉永南央

ハードボイルドとは対極にあるジャンルとしてコージー・ミステリがある。

「地域社会が親密である」「居心地が良い」といった意味を持つ「コージー(cozy)」を使用し、日常的な場面でのミステリーであることを示す。(byウィキペディア)

わりと私もこのジャンルが好きで読んでいる。
ハードボイルドもいいけど、ほっと一息ついて、安心して読める。
本作「紅雲町ものがたり」も、そんな話がつまっている。
この作品の特徴は、ヒロインが大正生まれの婆さん、って設定。
その為、謎を探ってうろうろしていたら、痴呆徘徊老人と間違えられて、職務質問を受けたりする。(第1作「紅雲町のお草」)
高齢者故の悩み、あるいは利点も語られる。
全部で5編の短編が収録されている連作短編集。

私は「クワバラ、クワバラ」が好き。
「悪い男」もいいけど、出来すぎのような気もする。
でも、世の中広いから、こんな男もいるかもね。
よかったら読んでみて。
後味が良く、浄化作用抜群、ほっこりする。

PS
シリーズ第二弾も出ている。いずれ読もうと思っている。
この著者、本作がデビュー単行本・・・なかなかレベルが高い。

↑文庫本にもなっている
但し、タイトル変更されている・・・「萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ」

【参考リンク】
cozy mystery

【ネット上の紹介】
離婚や息子との死別を乗り越え、老いても自分の夢にかけた大正生まれのお草。知的で小粋な彼女が、街の噂や事件の先に見た人生の“真実”とは―。オール讀物推理小説新人賞受賞作を含む連作短編集。