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「アメリカのベジタリアンはなぜ太っているのか?」矢部武

2012年07月13日 22時24分11秒 | 読書(エッセイ&コラム)


「アメリカのベジタリアンはなぜ太っているのか?」矢部武

アメリカ人を十把一絡げに論ずるのは乱暴だけど、(それでも)共通点はあるし、頷ける点が多い。

まず第1章・・・タイトルにもなっている「ベジタリアンなのになぜ太っているのか?」
P29
肉を食べなくても、アイスクリームやクッキー、パイ、ケーキ、ポテトフライ、ポテトチップス、キャンディ、ミルクセーキ、ソフトドリンクなど、ジャンクフードと呼ばれるものをたくさん食べれば肥満にもなるし、不健康にもなる。

第2章・・・「クリスチャンの国になぜ離婚が多いのか?」
P51
「アメリカでは教会へ行っていないと、地域社会の一員として認めてもらえないようなところがあり、とくに保守的な地域ではその傾向が強いのです。また、議員など公職に就こうとする人は、教会のメンバーにならないと、選挙になかなか勝てません。ですから、人々は名ばかりのクリスチャンになろうとするのです」

P56
アメリカの暴力と戦争の歴史は、建国時代にまでさかのぼる。彼らは「自分たちは神に選ばれた人間だ。だからアメリカを、世界を支配する資格がある」と、宗教を都合よく利用しながら先住民を殺して土地や財産を奪い、さらにメキシコやスペインなどと戦争して領土を拡大した。こう考えると、当時のアメリカ人の多くもまた、“名ばかりのクリスチャン”だったということになる。

P218
本書では、アメリカ人の不可解な心理と行動について述べてきた。
だが、読み進めるうちに、また冷製に分析してみると、「日本人にも当てはまるのでは?」と思った人も多いのではないだろうか。
「はじめに」でも述べたが、日本人はアメリカの経済力に必死で追いつこうとしているうちに、悪い面もたくさんもらってしまったのである。アメリカ人に似て日本人も、なんでも一所懸命にやらないと気がすまない人が多いから。

アメリカ人を批判しているうちに、火の粉は自分にかかてきた。
他人ごとではない。

【ネット上の紹介】
アメリカ人の思想・行動をたどっていけば社会全体の矛盾と仕組みが見えてくる。
[目次]
第1章 ベジタリアンなのになぜ太っているのか―簡単な解決策を求めたがる人たち;
第2章 クリスチャンの国になぜ離婚が多いのか―自由と権利ばかりを主張する人たち;
第3章 男女平等なのになぜ女性大統領がいないのか―本音と建前を使い分ける人々;
第4章 能力主義なのになぜ美容整形に殺到するのか―見た目がいちばんの能力と考える人々;
第5章 民主主義の国がなぜ戦争マニアなのか―大義名分で押し切ろうとする人々;
第6章 世界一豊かな国がなぜ超格差社会なのか―金品のみが豊かさのバロメーターだと考える人々;
第7章 やはり理解できないアメリカ人の心理―前向きだが自己中心的で傲慢な人たち