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「武曲」藤沢周

2013年07月24日 21時42分57秒 | 読書(小説/日本)

「武曲」藤沢周

芥川賞作家・藤沢周さんの新刊。
純文学と言うと、重い、暗い、硬いを連想する。
が、本作品は、ほととんど青春小説。

ラップに夢中な高校生羽田融君。
同じ高校の剣道部先輩と、駅で喧嘩をする。
なりゆきから、剣道で勝負したところ、勝ってしまう。
さらに、そのコーチからも1本取ってしまう。

そのコーチには、過去があり、実の父と木刀で試合して、植物人間にしてしまった。
それが契機で、アルコール依存症となる。
このコーチと羽田融君が交互に「語り手」となって、物語が進行する。

剣道好きにな方、必読、と思う。
「武士道シックスティーン」シリーズが好きな方にもウケる、と思う。
ただし、男性読者が萌えるような対象キャラは登場しない。
女性読者は、融君に萌えかも。


PS
直木賞作家・藤沢周平さんと名前が似ているが、全く別人。
藤沢周は本名。たまたま、似てるだけ。

【参考リンク】
藤沢周「武曲」

【ネット上の紹介】
羽田融はラップに夢中な高校二年生。ひょんなことから剣道をはじめるが、剣道部のコーチにして「以前、父親を殺したらしい」矢田部研吾からいきなり一本取る。ところが「マグレだよ」と先輩に言われ…。ラップ命の少年と人生にも剣にも倦んだ男の灼熱の季節と運命の打ち合いまでを揺るぎない文章で構築した超純文学。