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「引き抜き屋 鹿子小穂の冒険」(1)雫井脩介

2018年05月10日 21時52分05秒 | 読書(小説/日本)

「引き抜き屋 鹿子小穂の冒険」(1)雫井脩介

私の好みの作品だ。
仕事と人間模様を描いている。
業界の内幕も描かれ興味深い。

P126
 ヘッドハンティングは、その業界ではエグゼクティブサーチとも言われ、ヘッドハンティング会社はサーチファームという名で呼ばれている。ヘッドハンターはコンサルタントという肩書きが付くのが一般的だ。
 サーチファームは数人のヘッドハンターと、それを支えるリサーチャーなどのスタッフで構成されている。大手と言われるサーチファームでも、在籍するヘッドハンターはせいぜい十人そこそこというところである。一匹狼で業界を渡っているヘッドハンターもいる。必要な資格はなく、参入障壁もないから、ビジネススタイルもそれぞれだ。ただし、人脈がなければ何もできないし、能力がなければ信頼は勝ち取れず、依頼は回ってこない。誰でもできるようでいて、誰もができるわけではない仕事である。(昔、ラジオ番組で杉田敏先生が「名刺に『ヘッドハンター』と記載されていません(笑)」と言われていたので、ずっと気になっていた。ヘッドハンターの名刺ってどうなってるんだろう、と)

P256
「へえ、山登りですか……私もここんとこは全然登ってないですね」(中略)
「何か、昔はよく登ってたみたいな言い方だね」(中略)
「登ってましたよ」
「へえ」小穂が真顔で応じたので、畔田は見直したように感嘆の声を発した。「山ガールってやつか。人は見かけによらないね」
「見かけによらないも何も、以前は私、アウトドアメーカーの[フォーン]で働いていたんですから」(中略)
「そりゃ失礼。だったら、山登りなんかお手のものだね。今まで、どんな山に登ってきたの?」
「高尾山です」
(このやりとりはまだ続く…本書の中でも私の好きなシーンだ)

【おまけ】
読んでいて、垣根涼介さんの「君たちに明日はない」を思い出した。
片や、リストラ請負人なので、職種は異なるが、
『仕事と人間模様』を描いている点が同じ。


「君たちに明日はない」垣根良介
「借金取りの王子」垣根涼介
「張り込み姫」垣根涼介
「勝ち逃げの女王~君たちに明日はない」(4)垣根涼介
「迷子の王様~君たちに明日はない」(5)垣根涼介

【ネット上の紹介】
社長交替の背後にヘッドハンターあり。ビジネス界の「かけひき」や「裏切り」をテーマに一人の女性の奮闘と成長を描くスリリングな物語。


診療科受診

2018年05月10日 21時50分23秒 | 身辺雑記

先日、駅前の歯科にかかった。4,110円。
歯石の最終チェックとクリーニング。
家の近くの耳鼻科にもかかった。1,690円。
花粉症の薬をもらった。
例年だと、梅雨明けの7月まで引っ張ることになる。
今年はどうだろう。記録として残しておく。