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「おねだり女房 影十手活殺帖」宮本昌孝

2019年11月11日 21時00分12秒 | 読書(歴史/時代)
「おねだり女房 影十手活殺帖」宮本昌孝

「影十手活殺帖」の続編。
今回も、東慶寺を舞台に男女の愛憎が展開する。
ところで、なぜ東慶寺は特別なのか?
それは天秀尼が関わっているから。
以前(2011.12.22)天秀尼について触れたことがある。
次のように書いた。

天秀尼は、千姫の養女。(つまり於江と秀忠の義理の孫)
秀頼が側室に生ませた子どもだけど、千姫と仲が良かったそうだ。
何不自由ない姫君として育つが、大阪夏の陣で運命が激変する。
本来なら殺されてもおかしくないが、千姫の養女としていたので助かる。
その代わり、出家して鎌倉の縁切り寺として有名な東慶寺に入る。
夫の暴力に苦しむ多くの女性たちを離縁させ、縁切り法を確立させた。
天秀尼に救われた女性は少なくない。

【ネット上の紹介】
良人との離縁を望み最後の助けを求めて女が駈け込む「縁切寺」として名高い鎌倉の東慶寺。門前にある餅菓子屋の倅で忍びの未裔でもある平左十手の使い手・和三郎が、寺役人の野村市助、公儀御庭番の息女紀乃とともに、夫婦の事情の背後に隠された意外な真実を鮮やかに暴き出す。表題作「おねだり女房」を含め全四編。

「影十手活殺帖」宮本昌孝

2019年11月11日 21時00分12秒 | 読書(歴史/時代)
「影十手活殺帖」宮本昌孝

駆込寺・東慶寺が舞台。
江戸時代、当時の女性は、自分から離婚を申し出ることが出来なかった。
例外が駆込寺。
本書は、その東慶寺が舞台。
江戸の男女の愛憎を描いた作品。

P125
駆込寺と俗称される東慶寺の離婚訴訟における最優先事項は、あくまで女人救済にあったが、離縁すなわち救済ではない。
 いちど離縁された女は、それだけで芳しからざる噂を立てられる。結果、親兄弟や縁者に迷惑が及ぶ場合も少なくないし、女自身、再婚にさいして、著しく不利になる。そういう時代であった。

【ネット上の紹介】
舞台は鎌倉の東慶寺。別名駈込寺。男に愛想の尽きた女が一目散に逃げ込んでくる。寺役人の市助と門前にある菓子屋の和三郎が協力し、駈込みの子細を辿っていくと、女の性をめぐる凄まじいドラマと巧妙な悪企みが浮かびあがってくる。和三郎は忍びの裔。影十手を躍らせ江戸の闇に挑む。痛快な時代ミステリー。