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「派遣社員あすみの家計簿」青木祐子

2019年11月13日 12時17分25秒 | 読書(小説/日本)
「派遣社員あすみの家計簿」青木祐子

青木祐子さんの新刊。
あすみは会社を“寿退社”したのに、恋人は雲隠れ。
残ったのは、カードの支払いのみ。
家族の援助は期待できず、急遽、派遣会社に登録する。
シャンプー配りや工場の日雇いで、なんとか食いつないでいく。
その苦境のなか、友達も出来ていく。

あすみの就職の理想
P27
25万円は最低ラインである。勤めるなら残業なし、ボーナスあり、家賃補助あり、有給休暇を好きにとれて、オフィスが綺麗で、丸の内にあって、人間関係がよくて、責任はないけどやりがいがる会社がいい。(そんな会社あるわけない)

P89
ネットの求人サイトを調べたら、28歳の中途入社で、給料25万円を超えて楽そうな仕事はほぼなかった。あると思ったら看護師だの、英検1級以上必要だの、未経験者不可だのである。オフィスワークだったら手取り20万円いけばいいほうで、それすらスキルが足りなかったりする。

【感想】・・・以下、ネタバレありなので、未読の方注意。
P272、あすみは穏和すぎて、元カレに強い態度をとれないが、終盤でキレるシーンがある。そこがいい。
友人のミルキーの為に怒るのである。
「なんてことするの!これ、あたしの友達が持ってきてくれたのに!」

【ネット上の紹介】
飲食店社長を自称していた恋人の理空也に騙され、会社を“寿退社”してしまった藤本あすみ。理空也は姿を消し、残ったのは高額なカードの支払いだった。ピンチに陥ったあすみは親友の仁子に説教され、家計簿をつけることに。派遣会社に登録したものの、なかなか仕事は決まらない。シャンプー配りや工場の日雇いと必死の節約で食いつなぎ、ようやく派遣先を得たあすみ。そんな折、合コンで出会った商社マンの八城からアプローチを受けるが、理空也への思いを断ち切れずにいて…。家計簿には、生き様が表れる!?人生に迷子中のアラサー女子の節約サバイバル小説。