海外ドラマ「月に咲く花の如く」を、Amazonで観た。(原題「那年花開月正圓」)
清朝末期を背景に、西安の近くにある涇陽(陝西省涇陽県)を舞台に展開する。
ヒロインは周瑩、孤児で養父に育てられる。
親子で大道芸をして放浪している。
涇陽に来たとき、養父が博打の形に周瑩を商家に侍女として売ってしまう。
持ち前の明るさで毎日を過ごすが、側女にされそうになって、涇陽で一番裕福な商家に逃げ込む。ここから物語は本格的に回り出す。
周瑩は賢く誠意があり、とてつもない商才の持ち主であった・・・実在するモデルがいるそうだ。 成長物語、歴史劇、復讐譚、成功譚、群像劇、恋愛、ミステリ、様々な要素を併せ持った作品だ。多くの登場人物が複雑に絡み合い、愛憎劇が進行する。
USA海外ドラマと違って、湿っぽく、洗練されていない。悪く言えば、演出は泥臭い。(わざわざ泥水で倒れ込んだり、とか)それでも、圧倒的なベクトルがあって引きつけられる。テーマは、「誠」「信」「慈悲」。これも、米ドラマでは無いだろう。
全部で74話、1話=45分として3,330分(約56時間)、毎日8時間観たとしても1週間掛かる。もし観ようと思うなら、気合いを入れて観て。(コロナ外出自粛の今がチャンスかも)
【感想】
スタッフに日本びいきの方がいるのか、好意的に描かれている。
この時代背景だと、日本を悪く描いてもおかしくないんだけど。
「愛国教育」の悪影響は感じられない。日本を近代化の手本のように描き、登場人物にもそのように語らせている。(実際、中国建国の父・孫文は日本に留学して犬養毅の世話になっている)その辺りを踏まえているのかもしれない。
【おまけ】
私は、ドラマと相性が悪く、海外ドラマに限らず、日本のものも最終話まで観る忍耐が続かない。面白いと感じたのは「マーベラス・ミセス・メイゼル」くらい。(3回観た)
あとは、1シーズンさえ保たず、短いのは1話の途中で投げ出した。
でも、「月に咲く花の如く」は、最終話まで観続けることができた。(快挙だ)
【黄金律】
これだけ長大な作品を引っ張るには、相当なヒロインの魅力と巧妙なストーリー展開が必要。ここでも黄金律が生かされている。複数の異なる魅力を持つイケメンからの求愛(かぐや姫クラス)+すれ違い、である。嫌われ役・柳婉児、胡咏梅、杜明礼もよく頑張って物語を引っ張った。脚本を書いた方は手練れである。
【追記】
ヒロイン・周瑩がモテる分、呉漪(ごい)や玲瓏(れいろう)が割を食ってしまう。気の毒としか言い様がない。
春杏(しゅんきょう)は、その後どうなったのだろう?
一生侍女として周瑩に仕えたのだろうか?
多分、周瑩が何らかの対処をしたと思う。
いくつも山場があるが、#6と#23を見逃してはいけない。
#6で重要な契機が起こり、#23から商人・周瑩の物語が実質始まる。ゼロからの戦いだ。何度も試練が襲いかかり、打ちのめされる・・・それでもヒロインは立ち上がり、知略の限りを尽くし、立ち向かっていく・・・涙、涙だ。
【公式サイト】1
【公式サイト】2
【参考リンク】