「大地の子」(全4巻)山崎豊子
思った以上におもしろかった。
最初は、文革シーンなので、ひたすら暗い。
でも、これを過ぎるとプロジェクトが始動し、よりおもしろくなってくる。
最後まで読んだなら、深い感動を得られるはず。
これはお薦め、ぜひ読んでみて。全4冊で読みごたえもある。
①P273
「そういえば、厳禁されていた売春が秘めやかに復活し出したのは1958年から3年にわたる大災害、大飢饉あたりからだ、食い詰めた女の行きつく先は、解放前も、解放後も変わりないな」
満州からの引き揚げについて
②P223
軍が老幼婦女子の同胞を見捨てなかったら、世界史にも例がないような悲劇は起こらずにすんだであろうと思うと、腸(はらわた)が煮えくり返るような憤りに駆られた。
③P244
共稼ぎの中国では、炊事、食糧買出し、洗濯などの家事も、男女平等に分担するのが原則だった。格別の美人や才能のある女性は、結婚の3条件として、テレビ、洗濯機の他に、男性の"料理上手”も条件に加えていた。
【ネット上の紹介】
陸一心は敗戦直後に祖父と母を喪い、娘とは生き別れになった日本人戦争孤児である。日本人であるがゆえに、彼は文化大革命のリンチを受け、内蒙古の労働改造所に送られて、スパイの罪状で十五年の刑を宣告された。使役の日々の中で一心が思い起こすのは、養父・陸徳志の温情と、重病の自分を助けた看護婦・江月梅のことだった。