「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2」ブレイディみかこ
英国での子育て日記。
一作目は、2019年ノンフィクション本大賞受賞、2020年書店新風賞受賞した。
本書は、その続編。
「完結」とあるので、第3弾は出ないのでしょうね。(残念)
主人公の少年も思春期となって大きくなったから?
P56
女子生徒が生理用品を買えないために学校を病欠したり、制服を汚していじめられたりする問題は「ピリオド・ポヴァティ(生理貧困)」と呼ばれて社会問題にもなっているが、息子の学校でも想像以上に困っている女子たちがいるようだ。
P148
「ASBO」とは、「Anti-Social Behaviour Order(反社会的行動禁止命令)」の略称だ。ブレア政権時代に制定された、放火、破壊行為、暴動、ドラッグ・ディーリング、窃盗などの反社会的行動を取り締まる命令のことである。「ASBO」は「ブロークン・ブリテン」という言葉とセットで、荒れた下層社会やアンダークラスの若者たちを表す言葉になった。それは「チャヴ」と同じように、最初は差別用語として使われていたが、そのうちティーンたちがワルぶって使う流行語になって、落書き用語としても使われるようになった。
P154
ブレグジット党といのは、以前、UKIP(イギリス独立党)という政党の党首だったナイジェル・ファラージが設立した新政党だ。UKIPはEU離脱の国民投票のときに離脱派を率いた。大勢の移民の写真を使ったポスターで非難を受けたりして、排外主義的と批判された政党である。その後、党首が交代すると支持を落とし、元党首のファラージは離党して新たにブレグジット党を立ち上げた。
P157
「どうせまた、わたしはいい年してスノー・フレイクだって言いたいんでしょ」
わたしは配偶者に言った。スノー・フレイク。それは、ポリティカル・コレクトネスにうるさい若い世代のことを、上の世代が揶揄して使う言葉だ。「雪片のように壊れやすく、傷つきやすい」という意味である。
【参考リンク】=1作目
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」ブレイディみかこ