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「あきない世傳金と銀」(13)高田郁

2022年08月24日 07時27分22秒 | 読書(歴史/時代)


「あきない世傳金と銀」(13)高田郁

シリーズ最新刊にして、最終刊。
これで完結!

P350
――おあしにはな、金と銀がある。銭は日々の暮らしを支えるもの。お前はんがこれから生きる商いの世界で使われるんは、金と銀だす。金は銀より重うて、柔らかい。何より、いつまでも変わらんと光り続けることが出来ますのや。金と違うて、銀は曇ってしまう。けど、その曇りは、銀がひとからひとの手ぇに渡った証、仰山のひとの商いに役立った証だす。金と銀、両方揃わな、商いは出来ませんのや。五鈴屋のご寮さんは紛れもない、金貨だす。(タイトルの意味が分かった)

【作者のお言葉】
本作を手がけるきっかけとなったのは、「いとう呉服店」(のちの松坂屋)十代目店主の宇多という女性でした。
(中略)
少し先に、特別巻を2冊刊行させて頂く予定です。(楽しみに待ちましょう!)

【ネット上の紹介】
宝暦元年に浅草田原町に江戸店を開いた五鈴屋は、仲間の尽力を得て、一度は断たれた呉服商いに復帰、身分の高い武家を顧客に持つことで豪奢な絹織も扱うようになっていた。だが、もとは手頃な品々で人気を博しただけに、次第に葛藤が生まれていく。吉原での衣裳競べ、新店開業、まさかの裏切りや災禍を乗り越え、店主の幸や奉公人たちは「衣裳とは何か」「商いとは何か」、五鈴屋なりの答えを見出していく。時代は宝暦から明和へ、「買うての幸い、売っての幸せ」を掲げて商いの大海へと漕ぎ進む五鈴屋の物語、いよいよ、ここに完結。