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「あきない世傳金と銀」(9)高田郁

2020年09月19日 19時06分08秒 | 読書(歴史/時代)
「あきない世傳金と銀」(9)高田郁

シリーズ9巻目。
6巻目の途中から、舞台が大坂から江戸に移動したが、
今回は、大坂に戻り、再び江戸へ。
懐かしい人物も登場して嬉しい。
サブタイトルは「淵泉篇」・・・意味深だ。
大変な危機に見舞われるが、深い淵にあっても知恵が泉のように湧き出てくる。

P55
「音羽屋は型紙を『土産』と言ったけれど、とんでもない誤算です。あれは用い方次第で、あなたを追い詰めもすれば、『嫁資』としてその立場を守りもする。今後は自分の力で、才覚で、しっかりと生き抜きなさい」

P67
「ひとは何時までも同じではいられない。立場やものの見方、考え方も変わっていくものです。誰かに守られたまま、一生を終えることなど出来ないのですから」

P175
「堅く筋張った菜根は、よく噛まねばならない。ひとは不遇や逆境を嚙み締め、乗り越えることで真の人生を味わい、多くのことを成し得る――『菜根譚』はそう教えてくれます。(後略)」

【ネット上の紹介】
大坂から江戸に出店して四年目、まさにこれから、という矢先、呉服太物商の五鈴屋は、店主幸の妹、結により厳しい事態に追い込まれる。形彫師の機転によりその危機を脱したかと思いきや、今度は商いの存亡にかかわる最大の困難が待ち受けていた。だが、五鈴屋の主従は絶望の淵に突き落とされながらも、こんこんと湧き上がる泉のように知恵を絞り、新たなる夢を育んでいく。商道を究めることを縦糸に、折々の人間模様を緯糸に、織りなされていく江戸時代中期の商家の物語。話題沸騰の大人気シリーズ第九弾!!
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