「井伊直弼の首」野口武彦
P24
最初に日章旗を採用したのは徳川幕府であり、嘉永七年七月11日の老中通達に始まる。
P71・・・井伊直弼
彦根藩11代藩主井伊直中の14男として彦根城で生まれた。側室腹の庶子である。
P81
水戸藩主徳川斉昭は子だくさんだったが、その七男にあたる七郎麿は生まれたときから特別扱いだった。後に徳川最後の将軍になる慶喜である。(母は有栖川宮織人親王の娘登美宮)
P100・・・関税自主権
そもそも日本全権はハリスから《関税とは何か》の初歩をレクチャーされる段階からスタートしたのだらか自主権も何もあったものではない。
P138・・・安政の大獄
井伊直弼は「敵」を見境なく殺しすぎた。反対派の勢力を削ぐだけでは満足せず、殲滅し尽くさなければ安心できない性格の暗さが、幕末流血史の幕を切って落としたのであった。
P222
現代日本が本当に必要としているのは、井伊直弼のように、あえて泥をかぶるのを辞さない政治家なのではあるまいか。
【ネット上の紹介】
黒船到来という外患が内憂に転じ、動乱期が始まった―。激動期には、誰が政治権力を握るかが決定的な重要を帯びる。本書で扱う安政期のキーパーソンは、部屋住みの庶子から幕府権力の絶頂、大老にまで駆け上がった井伊掃部頭直弼だ。条約勅許、将軍継嗣問題、地震、インフレ、コレラなど難問が山積する中、京都朝廷の意向を無視して調印を強行し、反対派を弾圧することで自ら墓穴を掘ることになる…。
第1部 安政内憂録(下田開港
便利屋役人
ひるがえる日の丸
伊豆の大津波
海上の遊牧民
爆発事故
お台場崩壊
水戸と彦根
日本橋と深川
江戸大風水害
講武所始まる
お茶坊主
井伊の赤鬼
ストレスに死す
英遇公子
英国領事は見た
幕末親米派
日米交渉
堀田の大汗
攘夷利権
条約調印
押し掛け登城
戌午の蜜勅)
第2部 安政血風録(安政の大獄
暗黒裁判
安政コロリ
薩海入水
至誠人を動かす
死地の思想
小塚原の首
金貨大流出
天狗の羽ばたき
桜田門外の変
あいまい解決
富士女人解禁
斉昭の死
万延遣米使節団
外国奉行憤死
ヒュースケン暗殺
万延小判
五品江戸廻送令
江戸城御金蔵破り
三人吉三)